米フォーブスが世界の上場企業2000社をランク付けした「グローバル2000」の2018年版が発表した。ICBC(中国工商銀行)が首位を維持する一方で、バークシャー・ハサウェイやウェルズ・ファーゴ、中国銀行が順位を落とした。
JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、Appleが順位を上げる中、中国平安保険グループが6ランクアップでトップ10入りを果たした。
2017年10位だったトヨタは12位に転落。トップ10入りした日本企業はなく、トップ100に三菱UFJフィナンシャル・グループなど合計8社が選ばれた。
「グローバル2000」トップ10企業
10位(2017年16位) 中国平安保険グループ 時価総額1814億ドル
9位(8位) 中国銀行 1586億ドル
8位(9位) Apple 9269億ドル
7位(5位) ウェルズ・ファーゴ 2653億ドル
6位(7位) バンク・オブ・アメリカ 3135億ドル
5位(6位) 中国農業銀行 1841億ドル
4位(3位) バークシャー・ハサウェイ 4919億ドル
3位(4位) JPモルガン・チェース 3877億ドル
2位(2位) 中国建設銀行 2612億ドル
1位(1位) ICBC(中国工商銀行) 3110億ドル
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中国・米国企業がトップ10を独占
ランキングはフォーブスが毎年発表しているもので、世界60カ国・地域の上場企業の売上高、利益、資産、市場価値を順位付けしたもの 。
ランキング入りした2000社の総売上高は39.1兆ドル、総利益は3.2兆ドル、総資産は189兆ドル、総市場価値は56.8兆ドル。
2015年以来初めて、米国と中国の企業がトップ10に各5社ランクイン。全体的には2000社中291社が中国企業、560社が米国企業で、米国企業が圧倒的な勢いを維持している。
しかし2003年にはトップ2000入りした中国・香港企業がわずか43社だった点を考慮すると、その成長力に驚かされる。ICBCと中国建設銀行は 合計で800億ドルの利益を上げ、8兆ドルにおよぶ資産を保有している。
ランクインした企業が多い国・地域のトップ5は、米中の他に日本、英国、韓国という結果だ。
日本企業はトヨタのほか、三菱UFJフィナンシャル・グループが37位、ソフトバンクグループが39位、NTTが46位、本田技研工業が58位、三井住友フィナンシャルグループが59位、Sonyが86位、日産自動車が97位でなった。トヨタは自動車セクターの首位だ。
トップ3の利益は総額685億ドル
トップ10入りした企業はAppleを除き、いずれも金融・投資業務で利益を上げており、トップ3の2018年の利益だけでも総額685億ドルにのぼる。
バークシャー・ハサウェイは3位の座をJPモルガンに奪われたが、銀行ではなく持ち株会社であり、同じくトップ10入りしたバンカメやウェルズ・ファーゴに投資している。
米国の金融会社は、中国 2大銀行を追い抜くレベルには達していないものの、欧州や中国での勢力を拡大中だ。しかし世界の融資企業トップ25のうち5つを、中国銀行や交通銀行(11位)、中国郵政儲蓄銀行(15位)など中国の融資企業が占めていることから、新興アジアの強国が銀行業界にとって魅力的な市場である理由がうかがえる。
また世界の銀行トップ25 のうち、中国の銀行が14行あったのに対し、米国の銀行は4行にとどまった。
欧州の銀行は苦戦。バークレイズは罰金や組織再編が足かせとなり、122位から480位へと転落した。クレディスイスは482位、ドイツ銀行は495位だった。
ITセクターでもアジア勢が拡大
金融セクターに次いで勢いのあるのはITセクターで、18カ国・地域から130社がランクイン。トップ10入りしたAppleは2017年、売上高2475億ドル、利益530億ドル、資産3675億ドル、時価総額9270億ドルを記録。
2018年はアジア太平洋地域のIT企業が2000社のうち59社と勢力を拡大し、54社だった米国を追い越した。
自動車・リテール・飲食セクターのトップは?
自動車セクターからはトヨタが12位、フォルクスワーゲンが16位、BMWが40位、ホンダが58位、フォードモーターが67位。
リテールセクターからはAmazonが30順位を上げて53位となった一方で、ウォルマートが17位から24位に後退した。
飲食チェーンセクターは マクドナルド、スターバックス、バーガーキングのオーナーRestaurant Brands Internationalがトップ3。食品・飲料セクターはアンハイザー・ブッシュ、ネスレ、ペプシ。
ホテルセクターはマリオットが46も順位を上げ421位。ヒルトンは766位から775位に、ウィンダムは32順位を下げ1370位となった。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)