7月9~13日の東京株式市場は上昇した。米国は対中国の追加関税を正式に発動したが、マーケットでは当面の弱材料出尽くしとの見方もあり、週後半には為替市場で1ドル=112円台まで円安が進行、日本株も反発力を強める展開となった。13日の日経平均株価は終値ベースで前週末比809円21銭高の2万2597円35銭まで上昇、週間ベースでは4週ぶりの反発となった。

ジャスダック「単元株価格下位」ランキング

テイツー,株価
(画像=PIXTA)

それでは、今回はジャスダック市場の「単元株価格下位」ランキングを見てみよう。

(1)レッド・プラネット・ジャパン <3350> 23円 100株 2300円
(2)NEW ART <7638> 27円 100株 2700円
(3)RISE <8836> 29円 100株 2900円
(4)ソルガム・ジャパン・ホールディングス <6636> 39円 100株 3900円
(5)テイツー <7610> 46円 100株 4600円
(6)ジオネクスト <3777> 49円 100株 4900円
(7)カイカ <2315> 53円 100株 5300円
(8)ブロードメディア <4347> 62円 100株 6200円
(9)燦キャピタルマネージメント <2134> 66円 100株 6600円
(10)アジアゲートホールディングス <1783> 69円 100株 6900円

※銘柄、証券コード、13日終値、単元株数、単元株価格の順。データはヤフーファイナンスより。

上記ランキングは業績など何らかの理由で現在の低い株価に至っている銘柄が多く、単元株価格は第1位のレッド・プラネット・ジャパンで2300円、10位のアジアゲートホールディングスで6900円である。業種別でみると小売業、情報・通信業、サービス業が各2銘柄。卸売業、不動産業、建設業、電気機器が各1銘柄となっている。

レッド・プラネット・ジャパン、ホテル事業を柱に事業再編

今回は上記ランキングからレッド・プラネット・ジャパン、テイツー、カイカの3社を取りあげたい。

レッド・プラネット・ジャパンは2004年に上場した音楽CDの企画制作販売会社「ダイキサウンド」を前身とする企業。同社は宝石や宝飾品、飲食など各種事業に参入・撤退を繰り返し、2017年には音楽事業からも撤退している。現在は親会社レッド・プラネットグループが手掛けるホテル事業を柱とした再編に取り組んでいる。

レッド・プラネット・ジャパンは事業再編の過程で赤字が続いていたが、2017年12月期に3億1400万円の純利益を計上した。5月15日に発表した2018年1~3月期決算は6800万円の営業赤字となったが、固定資産売却(不動産のセールアンドリースバック)に関する特別利益を計上し、純損益は4億500万円の黒字となった。なお、2019年12月期の通期業績予想は開示していない。

東京の浅草、五反田に加えて名古屋、那覇、札幌にホテルを展開。訪日外国人の増加でホテルの需要が高まっており稼働率は高いが、事業拡大のため人件費負担も増加している。

レッド・プラネット・ジャパンの株価は13日終値で23円であるが、PBR(株価純資産倍率)は1.46倍で割安感はない。今後、株価が上昇するには、事業拡大に合わせて順調に利益を伸ばしていけるか、配当を出せる水準にまで経営が安定するかがポイントと言えそうだ。

テイツー、古本ビジネスで苦しい状況が続く

テイツーは古本・ゲームソフト店「古本市場」の運営会社。登記上の本店は岡山市だが、埼玉県草加市を拠点に店舗を全国展開している。

テイツーの業績はここ数年、純損益が赤字となる低空飛行を続けている。スマートフォンや電子書籍の普及により、主力商品である古本やゲームソフト、トレーディングカードなどの需要が減少しているためと見られる。事業構造の改革に取り組んでいるものの、流通構造の変化に対応しきれていないようだ。

既存店売上高は5月、6月と前年同月比プラスとなる月もあり、店舗閉鎖などによる効果もみられる。ただ、EC部門閉鎖などの影響で、全社ベース売上高では前年を下回る苦しい状況が続いている。

なお、テイツーは2019年2月期の業績予想で営業損益や純損益の黒字化を見込んでいる。予想通り黒字化が実現すれば、株価上昇につながる可能性もないとはいえない。

カイカ、営業赤字で株価低迷

カイカは情報システム会社。金融機関のシステム開発を得意とし、現在はネクスグループ傘下で経営再建を進めている。

カイカは経営難が続き、1株当たり純資産は2015年10月期に36銭まで低下した。その後、2016年10月期に純損益が黒字化し、2017年10月期には1株当たり純資産は約12円に回復している。ただ、今年6月に公表した2018年4月中間の連結営業損益は3億4100万円の赤字となり、先行きに対する不透明感が広がっている。

カイカの株価は13日終値で53円であるが、PER(株価収益率)は17倍、PBRは2.7倍と割安感は感じられない。今後、株価が上昇するには何よりも業績回復が求められる。(ZUU online 編集部)