富裕層はホテルのスイートルームに泊まったり、おかかえ運転手を雇ったり、身なりにも気を使ったりと、一見とても贅沢に見えるのですが、彼らはお金があるからこのような贅沢をしているのでしょうか?実はこういった行動は、自分と時間への投資とも見ることができます。今回は、富裕層に学ぶお金の考え方を紹介します。
富裕層がお金を使うわけ
「機会費用」という言葉をご存知でしょうか?これは、時間の使い方によって、どれだけ利益が変わるか、どれだけ効率性が変わるかを表した経済学の観念です。
簡単にいえば、選択肢Aを選ぶと10万円の利益が期待でき、選択肢Bを選ぶと2万円の利益が期待できる場合、選択肢Bを選んだ時の潜在的な損益は、2万円の利益ではなく、8万円の損失になるという考え方です。これは意思決定をする際に非常に重要な考え方と言われますが、富裕層は特にこの機会費用を意識して日常の選択を行っている傾向があります。
例えば、電車で1時間かかる場所まで、タクシーであれば30分で行けるとします。その人の時給が1万円だとすると、電車賃よりタクシー代が2千円高かかったとしても30分(5千円)節約できるほうが費用は少なくてすむといえます。
プライベートジェットも基本的には同じ考え方です。超富裕層は贅沢のためではなく、その方が結局は得だからプライベートジェットを所有しているのです。
視点を変えれば投資になるもの
一見投資に見えなくても、富裕層が大事にしていることがあります。それが休息とリラックスです。
仕事の効率が70%に落ちているなか、週末も働いたほうがいいでしょうか?この場合、体力的・精神的に疲労しているならば、仕事の効率は働き続けても上がることはないでしょう。そこで1日丸々、自分にぴったりのリラックス方法を実践し、その次の週から100%の効率で仕事を開始すればよいのです。
富裕層がホテルのスイートルームや飛行機のファーストクラスを好んで選ぶのは、ただ単にステータスや飲み物が飲み放題という理由ではなく、その時間にこなせる仕事量や、リラックスによるその後の行動力アップなどを考慮して判断しているからなのです。
このように、一見贅沢で無駄とも見えることも、仕事の効率を上げたり、将来のパフォーマンス改善につながるのであれば、十分に投資と言えます。
富裕層から真似できるお金の考え方
お金の使い方は実際にかかる費用だけでなく、その機会費用を考える必要があります。この考え方は一般の人にも十分取り入れられるものです。
プライベートジェットと言わないまでも、東京から大阪まで新幹線で行くか、夜行バスで行くかという程度の選択は日常的にあるのではないでしょうか。この場合、単に値段だけではなく、その間できる作業量や、目的地に着いた後での体調なども比較しましょう。
1時間に2,000円収入を得られる人が2時間の映画(1人1,800円)を観に行く場合、機会費用はチケット代1,800円ではなく、2,000円×2時間+1,800円=5,800円になります。観ようとしている映画は、これだけの額を払ってもいいと思えるほど明日からのモチベーションをあげてくれるでしょうか?
趣味など、リラックスやストレス解消の方法は慎重に選ぶ必要があります。もしそれらにお金を払った後、心身がリフレッシュせず、逆に疲れが溜まったりしてしまう場合、その行動は浪費になってしまうからです。すべての行動をお金に換算する必要はないですが、機会費用も含んだ費用対効果(コスパ)を考えることで、活きたお金の使い方ができるのです。
いつの日かファーストクラス移動に?
普通の人が富裕層の贅沢な部分だけ真似してもあまり意味はありません。ただし、今回ご紹介した機会費用の考え方を日常に取り入れると、移動費用を抑えることや忙しいときは時間を優先すること、また本当に価値のある余暇の過ごし方など、場面、場面で今までと違った選択ができるようになるはずです。
そんな選択を積み重ねて行けば、将来、富裕層の真似ではなく、本当に自分に必要という理由から、ファーストクラスで移動し、スイートルームでリラックスするビジネスパーソンになっているかもしれません。 (提供:マネーLife Style)
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