米中貿易摩擦の懸念後退で上昇か 売られた分を戻す
先週金曜日、ダウ平均は110ドル高の2万5669ドルと2月下旬以来、半年ぶりの高値を付けた。なんだかんだ言っても、米国と中国が貿易摩擦の解消へ協議するとの期待がいまは一番の株高材料になる。11月の米中首脳会談を視野に両国の当局者が作業を進めていると伝わった。トップが会って握ればそこで終わりである。日本の場合は9月末の国連総会のタイミングで、日米首脳会談が開かれるだろう。そこで両首脳が握手して一旦は戻りに転じるだろう。
問題はそれまでどうやって耐え忍ぶかである。お盆休みの市場参加者不在のタイミングでは、「トルコ」みたいなマイナーな問題で振り回されたが、投資家が戻る今週は落ち着きを取り戻すだろう。
今週の主な株価材料は、対中追加関税(約2000億ドル分25%関税)の公聴会と、パウエルFRB議長が講演するジャクソンホール会議か。しかし、例年以上にジャクソンホールに対する市場の関心は低下している。それは、日米欧の金融政策がほぼ「見えている」からだろう。
今週のレンジは22,400円~22,900円としたい。
広木 隆(ひろき・たかし)マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
上智大学外国語学部卒業。国内銀行系投資顧問。外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。長期かつ幅広い運用の経験と知識に基づいた多角的な分析に強み。2010年より現職。著書『9割の負け組から脱出する投資の思考法』『ストラテジストにさよならを』『勝てるROE投資術』
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