日経平均はこのところ2万3000円で押し返される展開が続いている。思えば、昨年秋に16連騰という新記録を達成した大相場があったが、その強い相場も2万3000円の壁を破れなかった。相場のピークは、忘れもしない11月9日だ。その日、我々マネックス証券は「日経平均3万円への道」という記者会見を行った。その記者会見当日、日経平均は一時470円近い大幅高となり2万3382円まで上昇したが、我々の記者会見を境に午後から急落してしまった。結局、その日終値では2万3000円を超えらなかったが、それ以降も何度も2万3000円を試したものの、結局越えられずに昨年は終わった。今年これまで、2月3月の急落後の戻り局面で、やはり2万3000円が壁となってきた。5月に一度だけ終値で2万3002円をつけるも定着せず、その後は6月も7月も終値で2万3000円台乗せは達成できていない。

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しかし、僕はもうすぐこの壁を越えられると思う。その根拠は、利益の見通しが過去最高になってきたからだ。前述した通り、戻り局面で1回だけ終値で2万3000円を超えたのは5月21日につけた2万3002円。それは3月決算発表の好業績を受けてのものだった。ただ、そのあと今年度の予想が控えめに出て予想EPSが下がってしまっていたが、足元Q1の好決算を受けて予想EPSが上昇、5月の値を抜けて予想EPSとしては過去最高になってきた(「実績」はもっと高い1800円台であるが、これは「市場が見なかった幻のEPS」である)。利益予想が5月の値を越えたなら、株価も5月につけた2万3002円を超えるだろう。

広木隆,ストラテジーレポート
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明日から9月。セル・イン・メイ(5月に売れ)の格言は続きがあって、「9月に戻って来るのを忘れるな」。9月は投資家がマーケットに戻って来る。9月は過去の平均では1年のうちでもっともパフォーマンスの悪い月である。

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リーマンショックから丸10年が経つが、リーマンショックが起きたのも9月である。しかし、過去は過去である。実際に、昨年は日経平均16連騰という大相場の起点となったのが9月である。月が替わるというのは案外、相場の潮目に影響する。上述した通り、昨年秋から年末にかけて再三再四試して抜けなかった2万3000円の節を、年が改まったらいとも簡単に抜けてしまった。

9月は相場が上に放れると考える。①自民党総裁選や、②安倍首相が国連総会出席のタイミングでおそらくセットされる日米首脳会談での通商協議の決着など9月は材料が豊富だ。しかし、そこまで待たずとも2万3000円を超えていくと思う。

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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