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生命保険金を利用する投資とは

保険を投資目的に加入する人はいるでしょうか?確かに、貯蓄目的の保険商品では、養老保険や終身保険などは、一定期間掛け金を払えば、利ざやを得ることが可能です。ですが、保険金そのものを利用する投資、となると話は変わってきます。

実は、生命保険証券投資とは、多額の保険金のある保険契約を、他人に「譲渡」する、といういうものです。保険契約者は将来遺族が受け取れる保険金の「5割」「7割」といった金額を先に受け取り、投資者がその保険の掛け金を支払い続けます。つまり、本当に契約者が死亡すれば、保険金はまるまる手に入る、というからくりなのです。


①保険金の前払いという利点 — 終身保険商品を「売買する」ということ

終身保険2000万円に加入している60代夫婦がいるとします。彼らは余生を楽しく生活するため、死亡保険金の2000万円を、生きているうちに受け取ります。彼らは60歳で既にこの保険の掛け金は支払済ですから、本来は死亡時に保険金が下りるのを「待つ」だけです。もちろん、これはあり得ない話ですが、生命保険証券投資とは、この仕組みを積極的に利用したものといえます。

まず、ブローカーが終身保険(でなければならない)をできるだけ大きく掛けている人を探します。死亡保険金5000万円の契約者がいたら「あなたの保険を3000万円で買い取ります」と声を掛けます。保険契約者は、今すぐ3000万円手に入るのならば…と、この保険を譲渡します。もちろん、保険契約自体はそのままです。ブローカーは残りの保険料を払い続け、保険契約者が死亡したとき、5000万円の保険金を受け取るのです。


②理論的には十分理解できる「契約形態」だが

この契約の『うまみ』はどこにあるのでしょうか?それは、5000万円ー3000万円 = 2000万円 という差額です。もちろん、ブローカーは掛け金をできるだけ払わない方が得、なのです。つまり、明日にでも契約者が死亡すれば、2000万円マルマル、ブローカーの手元に転がり込んでくる、というわけです。

理論的にいえば、「早く契約者が死亡すれば投資メリットは大きく」なり、「ずるずる長生きされれば、リターンは小さく」なってしまうわけです。もちろん、20代の契約者に終身保険1億円、というのもよいですが、それよりは70代の契約者に3000万円の方が、確実なリターンが見込めるのです。