9月25~28日の東京株式市場は続伸した。日経平均株価は28日の取引時間中に年初来高値を塗り替えるとともに、バブル崩壊後の高値を更新する場面も見られるなど強気主導の展開となった。日本株は昨年も秋口から動意づき、年末年始にかけて上昇した経緯がある。今年も同様の展開となるのか注目されるところだ。

ジャスダック「9月の上昇率ランキング」

応用技術,株価
(画像=PIXTA)

それでは、今回はジャスダック市場の「9月の上昇率ランキング」を紹介したい。

(1)地域新聞社 <2164> 1716円 +218.96% 325万4500株
(2)応用技術 <4356> 1690円 +55.62% 197万6700株
(3)エムティジェネックス <9820> 3万8400円 +55.47% 81万5300株
(4)倉元製作所 <5216> 218円 +51.39% 1575万9200株
(5)テリロジー <3356> 1613円 +41.37% 6222万5400株
(6)大村紙業 <3953> 1386円 +39.16% 16万6300株
(7)リリカラ <9827> 246円 +38.20% 2551万5700株
(8)夢みつけ隊 <2673> 159円 +37.07% 8728万8600株
(9)ケア21 <2373> 2965円 +36.76% 8万9900株
(10)ナガオカ <6239> 1284円 +36.31% 147万8300株

※銘柄、証券コード、9月28日終値、上昇率、月間出来高の順。データはヤフーファイナンスより。

この週は新興株式市場も総じて堅調だった。日経ジャスダック平均株価は約2カ月ぶりの高値を付けている。ちなみに、上記ランキングを業種別でみるとサービス業と卸売業が各2銘柄、情報・通信業、不動産業、小売業、ガラス・土石製品、パルプ・紙、機械が各1銘柄となっている。

応用技術、防災関連の受注期待が広がる

今回は上記ランキングから応用技術、地域新聞社、ナガオカの3社を取りあげる。

応用技術は情報システムを販売するIT企業。トランス・コスモスが発行済み株式の約6割を保有する。製造業向けソリューションと、地理情報システム(GIS)、防災・環境・建設分野を対象としたエンジニアリング事業を柱とする。

応用技術は2018年12月期の業績見通しの中で「政府が推進する防災・減災対策や地方創生事業、東京オリンピック開催に向けた大型都市再開発等の建設投資等により、高水準の受注が確保できる見通し」としていた。

実際、今年の夏は西日本豪雨や台風等の自然災害が相次いだことで、市場では防災に関する公共事業業務の受注が増えるとの期待が広がっているようだ。応用技術の9月の上昇率は55.62%に達し、今回のランキングで2位となった。

地域新聞社、ネット上で買収の噂も?

地域新聞社は千葉県船橋市に本社を置き、首都圏でフリーペーパー「ちいき新聞」「ショッパー」を発行するメディア企業。広告枠販売とチラシ配布が収益の柱となっている。

地域新聞社の株価は8月の終値で538円だったが、9月を迎えると動意づき同14日には2193円の高値を記録した。明確な買い材料は出ていないが、ネット上では買収の噂等が流れていたようだ。地域新聞社の9月の上昇率は218.96%に達し、今回のランキングでTOPとなった。

ちなみに、地域新聞社は2016年8月期、2017年8月期と2年連続で経常損失と純損失を計上している。今月は2018年8月期連結決算の発表を予定しており、その内容が注目されるところだ。

ナガオカ、親会社の株式追加取得等を好感?

ナガオカは大阪市に本社を置く機械メーカー。石油精製や石油化学のプラントで使用する内部装置「インターナル」、地下水を効率よく取水する「ナガオカスクリーン」等を製造している。

ナガオカ株の9月の上昇率は36.31%で、今回のランキングで10位となった。筆頭株主であるハマダの株式保有比率の拡大に加え、9月13日に発表した通期連結純利益の上方修正、さらには中国合弁会社を完全子会社化等のニュースが見直し買いにつながったとみられる。(ZUU online 編集部)