③13社の特徴と、今後10年20年先の業績を見る
生保13社の平成26年3月期
■基礎利益 ■保険料収入
1位 日本生命 5924億円 (8.4) 1位 日本生命
2位 明治安田 4604億円(16.7) 2位 明治安田
3位 第一生命 4284億円(23.2) 3位 住友生命
4位 住友生命 3939億円(▲6.4) 4位 第一生命
5位 アフラック 3252億円 (0.3) 5位 アフラック
6位 T&D 2102億円(15.2) 6位 メットライフ
(太陽、大同、T&D三社合計)
7位 プルデンシャル 1261億円(▲15.4) 7位 ジブラルタ
8位 富国生命 901億円(10.1) 8位 第一フロンティア
(プルデンシャル、ジブラルタ、PGF三社合計)
9位 アクサ 857億円(29.6) 9位 ソニー生命
10位 ソニー 723億円(▲9.6) 10位 大同生命
11位 三井生命 516億円(▲2.4) 11位 プルデンシャル
12位 朝日生命 269億円(2.6)
13位 メットライフ 10億円(▲97.6)(旧アリコ)
◎上記の表を見て下さい。基礎利益は保険会社の営業利益を示します。前年度比%でプラスは運用益改善が影響しています。問題は右の保険料収入です。今後10年20年で保険料収入は上位5社でさえ、減少が続くのです。右の表は、11位までしか記載してませんが、保険料収入では上位5位での変動が出ています。また第一フロンティア生命は、銀行窓販の年金保険商品を扱っています(銀行窓販の場合は、金融商品としての年金保険を販売しており、契約者は保険商品としてよりも「確定年金」として契約している可能性が高いといえます)。
ちなみに保険料増収なのは、ソニー、メットライフ、プルデンシャル、第一フロンティアのみです。これは今後の保険業界の行く末を考えた場合、保険会社の合併や集約が行われる可能性が高い、ということでもあります。
④インフレに強い商品を持つ会社こそ、お勧め
デフレ時代に運用逆ざやに悩んだ保険会社は、これからはインフレ対応型商品の販売が必須です。運用リスク型の保険商品こそが、これからの収益を支えるはずですが、販売チャネルでは勝ち組と負け組に完全に分裂しています。
従来型の上位5社の国内生保は負け組であり、リスク分散型の運用型商品を販売するスキル修得が急務といえるのです。
まとめ
外交員も代理店も教えてくれない保険会社の金庫の中身保険会社の体力は、保険料収入で成り立ちます。その大半は個人保険であり、会社の退職金や投資運用はごく僅かです。
顧客から集めた保険料は保管されるのではなく、しっかりと運用に回されます。ですが、その運用先は当然リスクを伴うのです。今後は保険会社の資産運用能力に、ますます目が離せなくなるでしょう。