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10年先も純増の保険会社はありえない

2013年度決算は、ここ10年もの間保険料収入が落ち込んでいる生保業界にとって、久々に明るい状況となりました。運用益が改善し、年金保険や一時払い終身保険などが軒並み売上げ微増となったのです。

しかし、保険料収入は減少しています。国内の生保マーケットは保険関係者の予想以上に小さくなっている、といえます。つまり、今後国内生保にとっては、将来の保険金支払いのための体力をいかに維持するかが、問題となってくるでしょう。


①商品ラインナップで読める、運用スキルの有無

保険商品の利益の大きい部分を「死差益」といいます。死亡保険金の支払い額が想定額より少なければ、保険金積立部分が少なくて済み、結果として利益となります。そのため、主に掛捨型(定期)保険が売れているところは、安定経営が継続できるということになります。

が、実際には年金保険や変額終身保険、外貨建て保険などで売上げを伸ばしている場合は若干事情が異なります。会社自体に運用力がなければ、販売手数料を外交員や銀行などのエージェントに支払うことができません。結果、運用力に難がある会社では、商品そのものを売り止めにしているのです。


②費差益、死差益は基準にならない

生保各社の利益確保には「費差益」「死差益」「利差益」の3つが基本となります。会社の人件費、販促費(費差益)などを削った場合、売上げが減少します。営業にはいろいろなツールが必要であり、最近はモバイル機器や専用ソフトなどが主流です。

また、災害リスクが高まり、死亡保険金が想定以上に必要な場合もあります(死差益)。保険契約そのものの継続よりも、解約事例が増加する可能性も十分あり得るのです。費差益、死差益とも、契約者数減少する中、今後差益は見込めないでしょう。