政府が普及本腰―予算増、税制優遇へ

株式新聞,AI分野育成
(画像=PIXTA)

AI(人工知能)分野を育成する政府の動きが加速する。先行する米国や中国に対する遅れを取り戻すべく、次世代戦略の策定に入った。トヨタ自動車(7203)をはじめ企業も自動運転を見据えた開発にかじを切り、株式市場でのテーマ性は一段と高まりつつある。

政府はこのほど統合イノベーション戦略推進会議を開催し、AIの普及に向けた戦略策定に着手した。来春にも取りまとめ、同年に大阪で開くG20(主要20カ国・地域)首脳会合でアピールしたい考え。既に定めてあるガイドラインに沿って、本格的な開発を後押しする。

米国は2016年に、中国は昨年にそれぞれAIの国家プロジェクトを発表している。中国は30年に理論や技術、応用分野でトップに立つ目標を掲げ、重点分野としての位置付けを鮮明にした。「雄安新区」と呼ばれる新たな経済特区も設け、AIなどの最新IT技術の開発を急いでいる。

AIに関する米中の研究論文の数は日本の7.5倍に上り、人材面でも日本は両国の後塵(こうじん)を拝している。政府は教育基盤の強化を含めた開発環境の整備を急ぎ、追い上げを図る。農業や医療、介護などの現場に導入することを視野に、予算や税制優遇を手厚くする構えだ。

民間企業もAIに注力する。トヨタは今年、デンソー(6902)やアイシン精機(7259)などのグループ企業とともにベンチャーを立ち上げた。16年には北米でAIや自動運転の新会社を設立しており、それに続く取り組みだ。自社の資源にとどまらず、外部のアイデアや技術を積極的に吸収することで、業界の勝ち組を目指す。

なお、トヨタは今年、AIを支えるビッグデータ分析を手掛けるALBERT(3906・M)に出資した。ALBERTの株価は年初来で11倍に上昇し、いわゆる「テンバガー」を達成した。

ALBERTはデータ処理や分析、モデル構築に携わる専門職の「データサイエンティスト」の養成にたけている。そして、同社とともに業界団体の一般社団法人・データサイエンティスト協会に所属するのがブレインパッド(=ブレインP、3655)だ。草野隆史・ブレインP会長は同協会の代表理事を務める。

ブレインPは70人を超えるデータサイエンティストを抱え、AIを駆使してさまざまな業種の企業を支援する。連結営業利益は前6月期に5.8億円(前々期比4.0倍)に急拡大し、今期は7億円(前期比19.7%増)を計画する。株価は9月に実質最高値の6450円まで上昇し、なおも上値を追う勢い。信用倍率は0.93倍(9月28日時点)と需給の状況も良い。ブロードバンドタワー(=BBタワー、3776・JQ)も同協会に所属する。

テクノスジャパン(=テクノスJ、3666)は、AIを使ったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)分析のほか、データサイエンティストの育成を行う。株価は5月の高値1017円を上抜き、上昇に弾みが付いている。オプトホールディング(2389)は、競争形式によって顧客とAI事業所をマッチングする新事業を開始した。このほか、クリーク・アンド・リバー社(=C&R社、4763)もAIを含むIT系人材の求人情報サイトを運営している。(10月4日株式新聞掲載記事)

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