終身保険、定期保険、養老保険の比較
終身保険、定期保険、養老保険の共通点は死亡保障があることで、被保険者が亡くなると死亡保険金が支払われます。
異なる点は、保険期間や満期保険金の有無です。定期保険と養老保険では、契約時から10年間など保険期間が定められますが、終身保険では契約時に保険期間が定められていません。そのため終身保険では、解約しない限り、被保険者が何歳で亡くなっても、死亡保険金を受け取ることができます。また、養老保険では、契約で定めた満期を迎えると満期保険金が支払われますが、終身保険と定期保険に満期保険金はありません。そのため、死亡保険金が支払われることなく、定期保険の保険期間が満了すると、保険料は掛け捨てとなります。定期保険と養老保険は、契約期間中に死亡保険金額が一定の商品がほとんどです。
この点が収入保障保険との違いで、収入保障保険では死亡保険金額が減っていきます。
終身保険のニーズ
終身保険は死亡保障がずっと続き、保険金受取人となる遺族は、死亡保険金を受け取ることができます。そのため、自分に万一のことがあったとき、遺族の生活費が心配で、確実に死亡保険金を遺したい方に向いています。終身保険の死亡保険金額が、契約期間中に変わらないタイプと増減するタイプに分かれます。保険料の払込み期間については、一定の時期に終了するものと、ずっと保険料を支払い続けるものがあります。終身保険の保険料は一定で、途中で保険料が上がる心配がありません。
それに対して、満期後に同じ死亡保障の養老保険に加入すると、保険料が高くなる可能性が大きいです。また、病気になって養老保険に加入できなくなる心配がなく、死亡保障の準備に適しています。同じ死亡保険金額で比べると、定期保険より保険料は高くなっていますが、解約しない限り死亡保険金が支払われるので、保険料が掛け捨てになることはありません。そのため、保険料を支払う余裕があり、保険料を掛け捨てになるのを避けたい方にお勧めです。
終身保険には、低解約返戻金型の商品も多くあります。払込完了時まで解約返戻金が少ない代りに、保険料を安く設定してあるので、一定の時期まで解約しない可能性が高い方にはお得です。
定期保険のニーズ
定期保険は、一定の日時に保険期間が終了し、その間に死亡保障の額が変わらない保険です。ただし、保険期間が終了したときに受け取る満期保険金はないので、貯蓄機能はありません。死亡保険金額が同じ終身保険と比べると、保険料が安くなっているので、一定の期間だけ、割安な保険料で死亡保障を用意したい方に適しています。また、5年ごとなど、短かいスパンで契約を見直したい方に向いています。
注意点は、80歳など一定の年齢に達すると更新できないことです。そのため、相続人に相続税がかかりそうで、非課税限度額を活用させてあげたいなど、死亡保険金を確実に残したい方は、終身保険が確実です。一生必要と考える死亡保障の金額だけ終身保険に入り、それより保障を充実させたい期間だけ定期保険に加入するのも、よくあるプランです。未成年のお子さんがいる間は死亡保障のニーズが大きいと考え、子どもが成人するまで定期保険に加入する方が多いです。
終身保険に定期特約をつけるのと比べ、どちらの保険料が安くなるかはケースによりますので、比べてみてください。