妊娠と保険
妊娠中に保険に加入しようとするとき、無条件で加入できるもの、特別な条件がつくもの、加入できないものがあります。たとえば、定期保険には無条件で入れる商品があり、個人年金保険は告知不要が一般的です。
しかし、医療保険では「異常妊娠・異常分娩による入院や手術は一定期間保障の対象とならない」という条件がつくか、加入できないことが多いです。医療保険の告知書には、「現在妊娠していますか?」という項目があり、妊娠8ヶ月以上の方は加入できない可能性が大きいようです。なお、医師の診断に加えて自分で行う妊娠検査も含むことがあります。また、「最近3ヵ月以内に入院・手術(帝王切開も含む)・検査を勧められたことがありますか?」という項目があり、当てはまる場合に加入しにくいようです。
少額短期保険には、妊娠後に加入しても、その妊娠で帝王切開になったときにも、給付金を受け取ることができる商品があります。たとえば、A B C少額短期保険の「A B Cおかあさん保険」は、妊娠19週までに申し込めば、その妊娠における帝王切開などの手術も保障の対象となります。
出産と医療保険
少額短期保険を除く医療保険では、自然分娩の場合給付金は支払われず、帝王切開の場合は入院給付金や手術給付金が支払われます。そこで、帝王切開の割合と費用について見ていきます。厚生労働省「平成22年度我が国の保健統計」によると、帝王切開分娩手術の割合は一般病院では23.3%、一般診療所では13%です。次に帝王切開の費用は50万円~70万円ぐらいで、入院日数は出産前日を入れて8日~12日くらいのようです。
国民健康保険中央会の統計によると、平成24年度の正常分娩の平均出産費用は49万円程度なので、正常分娩より10万円ぐらい多いということです。思ったより差が少ないと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、これは帝王切開の費用の一部は健康保険の対象になり、高額療養費制度を使うことができるためです。手術費などは健康保険の対象になりますが、分娩費などは自費になります。
なお、少額短期保険には、保障開始後に妊娠した場合は、自然分娩に伴う入院も保障の対象となる商品があります。たとえば、「A B Cおかあさん保険」では、正常分娩であっても、被保険者が49歳以下の場合、1日あたり5千円の入院給付金を受け取ることができます。また、フローラル共済の「なでしこくらぶ」は、被保険者が20歳~39歳の場合、月額2,500円の保険料で、1日あたり1万円の入院給付金を受け取ることができます。