このコーナーでは毎週原則木曜日に実施しているMarket Talk(動画セミナー)のサマリをお届けします。

2018年10月11日(木)Market TalkのSummary

2番底を探りにいく展開

広木隆,Market Talk
(画像=Thinkstock/GettyImages)

1回マーケットが大きく壊れるとマーケットの性格として1発で底が入るというのはまれで、必ず2番底を探りにいく。その期間は半年後でリーマンショックのときもそのように動いた。チャイナショックの時も同じ動きで底入れまでに半年を要した。3月頃に今年の秋に2番底となる可能性について述べたが、約8か月後の現在そのような展開となっていると思う。

イールドスプレッド(金利対比の株式のバリュエーション)について

株式(S&P500)の益利回りと米国10年債利回りの差が3%を割り込んできた。そうなると株の魅力が薄らいだということで株の割高感が意識される。2018年2月は急落する前に2.8%付近まで縮小しており、今もその水準まできている。 たた株式の割高感はこの急落でイールドスプレッドが3%に戻ったので、金利対比の割高感はいったんこれで調整されているということだろう。

この先の米国株の動きは?

下げはこの水準で止まるだろうがすぐには戻らないだろう。リバウンドを繰り返しつつ戻る展開が予想される。S&P500で見ると、前回(2018年2月の急落)は200日移動平均線が下支えとなった。今回も200日線付近まで下げているが、株価の水準としてはここでいったん調整が完了して、今後はリバウンドしながらも200日線に沿いながらしばらくもみ合い、というのが考えられるシナリオだろう。

また2月の急落時はその前の株価上昇のスピードが非常に早かった。RSIで見ると買われ過ぎのラインを超えていた。だから下げの角度が非常に大きくなった。今回は高いところ(買われ過ぎ)から落ちてはいない。普通の水準から急落しており、売られ方としては行き過ぎなのでこの水準で止まるであろう。

懸念材料としては、イールドスプレッドの改善には株の益利回りが上昇 - 企業の利益見通しが上振れなければならないが、アナリストの予想ベースで下方修正の見通しが増えている点があげられる。業績は良いのだが、予想を超えて上振れる可能性が少なくなっていると思う。

日本株の見通しは?

米国株が米国の金利上昇に対して割高感が出て急落し調整していることと、それにつられて日本株が下がっていることはファンダメンタルズ的には何も関係ない。日本株はPERが13倍と非常に安く、企業の利益ももっと伸びるのにそこまで予想されておらず据え置かれている。今後の中間決算での上方修正期待が強い中で、いっそう日本株の割安感が出ている。

米国株もここで下げ止まるだろうが、そこからもう1回米国株を買えるのか?米国の企業業績は上振れしずらい、金利も高止まりしつづける、となれば買うのは難しいと思う。対して米国株に連れ安している日本株は、一段と割安感が出ている、中間決算での上方修正期待、日本の金利は上がらない、ことから考えると、日本株に資金が入ってくる可能性は十分ある。

他、為替や今後の投資戦略についても述べています。

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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