「フォルダの集約」でデスクトップが見やすく!

デジタル整理術,柳谷智宣
(画像=The 21 online)

PCやスマホなどデジタルアイテムは、今や仕事に欠かせない存在だ。少しでも使いやすくすることで、仕事を効率化したい人は多いだろう。20年のキャリアを持つITライター柳谷智宣氏に、デジタルの整理術についてうかがった。(取材・構成=西澤まどか)

デスクトップ上にフォルダは置かない!

パソコンやスマートフォンの整理術で大事なことは、使いたいデータやアプリにすぐにアクセスできるよう、見やすいように整えておくことです。ときどき、デスクトップにフォルダのアイコンがたくさん散らばっている状態で仕事をしている人を見かけますが、それでは仕事の効率に悪影響を及ぼします。

私がお勧めするのは、「PCのデスクトップにフォルダを置かない」ことです。ではどうするかというと、ファイルは一カ所にまとめて保存します。マイドキュメントでもどこでも良いので「ここ」と決めた場所にすべてのファイルを置きます。

たとえば、仕事なら「仕事」で一つのフォルダを作り、さらにその中に細かい階層を作って、「仕事」に関するデータはすべてその中にある状態にします。これは、外付けのドライブにバックアップを取る際にヌケモレを防ぐ意味もあります。

メールについては、バックアップも整理もGメールでの管理がお勧めです。Gメールはフォルダ分けやラベル(タグ付け)で整理ができるだけでなく、とくにそういった整理をせずとも、検索性が非常に高いので、必要なメールが見つからないことがまずありません。職場が許すのであれば、バックアップとしてGメールに転送・保存しておくのが便利です。

PCを身軽にして速度を上げるには?

PCの整理は仕事の効率化のために重要ですが、PCの動きそのものを速くする方法についてもよく聞かれます。これについては、最新のOSであれば、動きに問題があるケースはまずないので、最新のバージョンにアップデートしてください。

そのうえで、必ず開くアプリ以外は、スタートアップの設定から外してしまいましょう(ウィンドウズ10の場合)。「タスクバー」から、「タスクマネージャー」のタブの中に、「スタートアップ」という項目があります。自動起動を停止したいアプリを選択できます。

またアニメーションの動きを止めることでも速度が向上します。スタートメニューの歯車アイコンから、「システム」→「バージョン情報」→「システム情報」→「システムの詳細設定」→「システムのプロパティ」で、「パフォーマンスを優先する」に設定します。

デスクトップは「仕事」で一つのフォルダにまとめる!

本文でも触れているとおり、「デスクトップにフォルダを置かない」のが柳谷氏流。1カ所にまとめて保存することが鉄則だ。「仕事」なら「仕事」と一つのフォルダを決めて、その中でプロジェクト別に仕分けする。柳谷氏は、フォルダに日付を入れることを勧める。

「プロジェクト内の個別フォルダは、『日付+プロジェクト名』のように入れると便利です。日付順にソートされ、ファイルが探しやすくなるからです。フォルダはできれば3~4階層以内に収めると目的のファイルにたどり着きやすいでしょう」(柳谷氏)

メールはGメールでバックアップを!

メールは10年も蓄積すると貴重なデータベースとなる。そのバックアップを取るのに最適なのがGメールである。 Gメールの便利なところは、ラベル付けという、いわゆる「タグ付け」ができることだ。

中でも特筆すべきは、複数のラベルがつけられることである。一般的なメールソフトで、フォルダごとに仕分けする場合は、その一カ所のフォルダ内にしか保存されない。しかし、Gメールのラベルはたとえば「仕事」と「取引先」の二つのラベルをつけると、そのどちらでソートしても該当のメールが表示される。

「メールの検索でもGメールは便利です。『添付ファイルあり』だけ検索したり、期間を指定しての検索もできます。これで埋もれたメールも見過ごさないはずです」(柳谷氏)

スマホの最初の一面は一軍のアプリだけに!

スマホもホーム画面を整理することで操作が素早くできる。

「ホーム画面の最初の一面には、使用頻度の高いアプリだけを置くようにします。一面のアプリ数が増えた場合は、フォルダを作り、関連するアプリをまとめるのも良いでしょう」(柳谷氏)

また、アプリの数や写真、ミュージックファイルによって、スマホの容量がいっぱいになってしまわないように注意しよう。「スマホでは、写真が占める割合がかなり多いと思います。写真を減らしたいなら『Googleフォト』『OneDrive』がお勧めです。自動でバックアップを取るため、本体から写真を削除しても、どの端末からもいつでも見られます」(柳谷氏)

アプリの容量をチェック!

ゲームなど思わぬアプリがパフォーマンスを遅くしている場合もある。定期的に確認を。どのアプリがどれくらいの容量を使用しているか、確認するには次のとおり。

・iPhoneの場合「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」から表示。容量の重いアプリから順に表示される。
・Androidの場合「設定」→「ストレージ」を選択。ジャンル別に容量の大きさが表示される。

【コラム】放置SNSに要注意!「デジタルデトックス」の勧め

一度登録したきりで、もう何年も放置しているSNS。これは今すぐ見直し、使っていないものは退会すべきだと柳谷氏は警告する。

「mixiや Twitterのサブアカウントなど、とりあえず登録したものの使わずに何年も放置している、という人が結構いるのではないでしょうか。絶対に安全なサービスなどなく、もし情報漏えいが起きたとき、個人情報が思わぬ方向で漏れてしまうこともあり得ます。それを防ぐためにも、使わないSNSアカウントは、速やかに退会・削除しましょう。いわゆる『デジタルデトックス』です。また、ECサイトなどと同じログインパスワードを使い回している人も多く、これも要注意です」(柳谷氏)

継続利用しているアカウントでも、パスワードの使い回しは危険。定期的に見直す癖もつけると良い。

柳谷智宣(やなぎや・とものり)ITライター
1972年、東京都生まれ。キャリア20年目のITライター。PC歴はX1Cをはじめとし30年以上。日々、仕事・プライベート問わずにデジタルデバイスやウェブサービスをヘビーに使う。雑紙やムック、単行本、新聞といった紙媒体から、ウェブ記事、メールマガジン、プレスリリースなども手掛ける。(『The 21 online』2018年5月号より)

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