ビジネスシーンでは第一印象が商談や交渉の決め手となる可能性もある。第一印象に大きく影響するのはファッションだ。服装が業績や評価にもたらすポジティブな影響は、数々の調査結果で明らかになっている。

具体的にはどのような服装が理想なのか。ビジネス・ファッションで重要な5つのポイントを挙げてみよう。

ポイント1 「パワーカラー」を選ぶ

スーツ,着こなし,オフィスカジュアル
(画像=marvent/Shutterstock.com)

色が周囲に与える心理的影響は想像以上に大きい。ビジネスシーンでは「自分に似合う色」よりも、「パワーカラー」を選ぶことで仕事ができる人間を印象づけられる。

心理学では、グレーやネイビー、黒といった濃い色は権威や知識、責任感、成功、安定感などを象徴する。

しかし濃い色、特に無地の黒は重苦しい、あるいはフォーマル過ぎる印象を与えかねないため注意が必要だ。スーツを着用する場合はストライプのシャツを合わせたり、シャドーチェックやストライプなど薄く柄の入ったものを選んだり、適度にカジュアルダウンしたい。

ただし人によって似合う色、身に着けていてテンションの上がる色は違うだろう。自分にとってのパワーカラーを見つけ、うまく取り入れることだ。

ポイント2 「フィット感」を大切に

スーツからカジュアルな服装まで、職場によってドレスコードは様々だが、「自分の体型にフィットしたスタイルを選ぶ」ことも重要だ。

ワイシャツの袖の長さ、首回り。スラックスやコートの長さ……。自分にフィットしたものをしっかり選びたい。バーゲン品だからといってサイズの合わない既製品のスーツを買ってはいけない。

自分の肩幅には大きすぎるジャケットを着ている男性や、丈の長すぎるパンツを履いたビジネスパーソンを見て、誰が「仕事ができそう」と思うだろうか?

ポイント3 良質な「素材」のものにする

身に着けるものは高価なブランド品である必要はないが、経済的に許す範囲で最高のものをそろえたい。そこで重視したいのは色や形などのデザイン面だけではなく、素材だ。

良い素材を使ってあつらえた洋服は、夏は汗を吸い取ってくれたり、冬は体温を保ってくれるもの。見た目では分からない、着ている自分にしか分からないところにしっかりお金をかけられるのは、デキる男がすることだ。

たしかに良質なものは高価なことが多いが、安い洋服や靴は長持ちせず、無理して着るとだらしない印象を与えかねない。お値段がそれなりにするとしても、良質なものを買うほうが長期的に見ると賢い投資といえるだろう。

ポイント4 「清潔感」を保つ

社会人のマナーとして欠かせない要素が清潔感だ。いくら洗いたての洋服を着ていても、髪の毛は乱れたまま、ひげをそらずに出勤するようでは、職場での印象がよくなるはずがない。いや、むしろいくら仕事ができても清潔でなければ嫌悪感を覚えられてしまう恐れがある。

何も「美容男子になれ」ということではない。自分を飾り立てる必要もない。ただ「清潔であれ」ということだ。

ポイント5 そのうえで目指すは「洗練」

好みの色、いい素材でできた、自分の体にフィットするものを、清潔に身に着ける。それだけで及第点ではある。しかし、さらに一段上に行くために“洗練”を目指したい。

一口では説明しづらいが、自分なりの哲学やこだわりを、さりげなくプレゼンすることといえるのではないだろうか。たとえば靴や腕時計、ベルトなど小物に気を配ることも、自分のセンスをアピールする方法といえるだろう。

これは自分だけの努力で実現できるものではないかもしれない。その場合は、雑誌やテレビ、自分がセンスを認める同僚を参考にするのも良い。また店員に一緒に選んでもらうのも一案だ。

これらのポイントは並べて見れば「当たり前」のことばかりかもしれない。しかし毎日実行することは決して容易ではない。まずは自分にフィットした、良質な素材でできた服を買おう。そしてそれを毎日清潔に着こなすことを目指してはいかがだろうか。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/MONEY TIMES

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