ピアノを習うことで言語能力や記憶力などが向上するとも言われているという。東大生の約半数はピアノ経験者というデータもある。ピアノは子どもの学業や将来の仕事の成功に影響を及ぼす、ある能力を向上させるというのだ。

ピアノを習うことで向上する能力とは

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(画像=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

ピアノは水泳に並んで全国的にも人気の習い事だが、東大生の場合その比率が突出している。子供の頃にピアノを習っていた東大生は約47%(2016年「東大家庭教師友の会」調べ)。小学生全体でみると、バイオリンなどを含めた音楽系の習い事をしている子供の比率は女子の39.0%、男子の11.9%(2016年「博報堂こそだて家族研究所」の調査より)であることを考えれば、いかに東大生のピアノ経験者が多いのかが分かる。

ピアノを弾くことによる利点として考えられるのは、指先の運動が言語能力や記憶力をつかさどる大脳への刺激となるということ。そして「譜読み」はワーキングメモリの発達を促すということだ。楽譜を見たり完全に暗記して、10本の指と1本の足に連動させる必要があることから、同時処理能力が鍛えられるのだろう。

さらに、ピアノを上達させるにはとにかく地道に繰り返し練習する必要があるため自己管理能力と忍耐力が身に付くと考えられる。効果を実感できるまでは何年もかかり、レッスンだけでなく自宅でも練習することが欠かせない。ピアノによる教育効果は、実はこの忍耐力や意欲などの「非認知能力」の向上が大きいと考えられる。

学業や仕事の成功に影響を及ぼすのは6歳までに育む「非認知能力」

この「非認知能力」とは、知識や技能といった数値化できる能力とは異なり、忍耐力や自制心、意欲や自尊心といった目に見えない特性のことだ。非認知能力が高ければ、将来学業や仕事で成功を収める可能性が高く、犯罪や離婚、経済的困窮に陥る確率が低いことが複数の研究で明らかになっている。

非認知能力は小さい頃の教育が決定的に重要となる。就学前に幼児教育を行ったグループと行わなかったグループでは、将来のIQにはさほど差はないものの、非認知能力には長期的にも大きな違いが認められた。6歳までに非認知能力を育む教育ができるかどうかが、子供の将来の成功に多大な影響を及ぼすという調査結果もある。

富裕層はグランドピアノに投資している?

教育は子供の将来への投資と考えられているが、ピアノそのものについては経済的な投資にもなる。最近、世界中の富裕層が投資目的でグランドピアノを購入するケースが増えているという。その理由は、原材料の価格上昇によりピアノの販売価格が高騰していること、中国をはじめとする新興国の需要が高まっていること、そのため中古価格が高値で安定し、上昇を続けていることだ。

ポルシェをはじめとするブランド力のある車や、立地の良いタワーマンションなどは、高額でありながら値崩れしにくいことから投資目的で所有する人も多い。ピアノも同じだ。メンテナンスをしっかりすれば寿命は100年とも言われる。車のように事故にあう恐れももなく、たいていマンションよりも安価だ。

「スタインウェイ」には480万円が1,995万円になったモデルも

特に投資対象として注目度が高いのは米国スタインウェイのグランドピアノだ。スタインウェイの中古価格は、状態の良い10年物であれば新品の75%で売れる。

しかも販売価格は毎年4%のペースで上がっている。例えば「model d-274」という型は1970年には480万円で販売されていたが、2010年時点では1,995万円と4倍に跳ね上がっている。

グランドピアノを置く場所がないなら、アップライトピアノでも価格上昇が見込めるだろう。

文・篠田わかな(フリーライター・ファイナンシャルプランナー)/MONEY TIMES

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