不動産の売却に関して活用できる税制がどれだけあるのかご存知だろうか。今回は売却を検討し始めた人が見逃してはいけない税金に関する7つのポイントを見ていこう。
①売却に伴う税金とは?
不動産の売却に伴う税金は「譲渡所得」が発生したときに限り発生する。譲渡所得は以下の計算式で求められる。「譲渡所得」がプラスであれば所得税および住民税、復興特別所得税が発生する。
譲渡所得=売却金額−取得費−譲渡費用
土地の取得費は購入額、建物に関しては減価償却後の価格が取得費になる。譲渡費用とは仲介手数料、印紙税、測量費等の売却に要した費用を指す。
②購入時よりも安く売却したら税金はどうなる?
購入時よりも安い価格で売却したとしても、税務上の利益が出ていればキャピタルゲイン課税が発生する可能性がある。具体的に見てみよう。
例えば4700万円で購入した物件の場合、3年後に減価償却費300万円を引いたとすると、取得費は4700万円から4400万円に減少する。この目減りした物件を4700万円で売却したとすると、購入時と同額なので一見利益はゼロのように感じるが、取得費は4400万円であるため、税務上は300万円の利益が発生したと判断される。つまり、上記の場合は税金が発生するというわけだ。
③売却時の税率は2パターン
売却時の税率(譲渡所得にかかる税率)は所有期間で異なる。所有期間が5年以下であれば短期譲渡所得、所有期間が5年超であれば長期譲渡所得となる。それぞれの所得税率及び住民税率は以下の通りだ。
短期譲渡所得:39%(所得税30%+住民税9%)
長期譲渡所得:20%(所得税15%+住民税5%)
また復興特別所得税に関しては、所有期間に関係なく、計算された所得税額に対して2.1%の税率がかかる。
④マイホームの売却なら特例をチェック
売却時にかかる税金は③で示した通りだが、マイホームを売却した場合、譲渡所得の計算から3000万円を控除できる特例がある。いわゆる「3000万円特別控除」だ。
譲渡所得=売却金額−取得費−譲渡費用−3000万円
なお「マイホームに該当するかどうか」はルールが決められているので、プロに確認して欲しい。
⑤「住宅ローン控除」との併用(1)
「住宅ローン控除」は、住宅ローンを利用して購入した人の金利負担の軽減を図る制度だ。毎年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のいずれか少ない金額の1%を10年間に渡り所得税の額から控除できる。
ただし、④の「3000万円特別控除」との併用はできない。住み替えを検討している場合、売却時に「3000万円控除」を利用するか、購入時に「住宅ローン控除」を利用するかで損をする可能性もある。これに関しては個別の事情によるので、やはりプロの助言が必要だ。
⑥「住宅ローン控除」との併用(2)
住宅ローン控除は3000万円特別控除とは併用できないが、一定の要件を満たした不動産の売却では「譲渡所得から1000万円控除」との併用が可能になる。その要件は以下の通りだ。
・平成21年または平成22年に取得した
・5年超保有している
・土地の用途は問わない。空き地や投資用、セカンドハウスも対象
となっている。この「譲渡所得から1000万円控除」、実はあまり知られていない制度だ。該当している人はプロに助言をもらおう。
⑦売却損はどうなる?
④の「3000万円特別控除」、⑥の「譲渡所得から1000万円控除」は売却時に利益が出た場合に利用できるが、必ずしも利益が出るとは限らないのが不動産売却だ。そこで売却損が出たときの助け船ともいえる「損益通算」と「繰越控除」についても知っておこう。
・損益通算
譲渡所得がマイナスになった際は、そのマイナス分とその他の所得を相殺して所得税や住民税を減らすこと。
・繰越控除
譲渡所得のマイナスが大きく、その他の所得と相殺し切れない場合、残りのマイナス分を繰り越して、翌年以降の所得からも差し引くこと。繰り越しは最長4年まで可能だ。適用条件があるので詳細は個別にプロへ相談しよう。
「知らなかった」じゃ済まないから…動く前にプロへ相談を
この他にも不動産の売買に関する制度があり、知らないと損をすることがある。リスクヘッジも兼ねて、税金に関するノウハウを持ち、実績十分の税理士とも繋がりがある不動産のプロフェッショナルに相談するのが良いだろう。
そこで注目したいのが世界72の国と地域、950のオフィス、22,000人以上の世界最大級のネットワークを構築している世界的な高級不動産仲介ブランド「サザビーズ インターナショナル リアルティ®」だ。270年以上の歴史を持つ世界最古のオークションハウス「サザビーズ」に起源を持ち、グローバル規模で事業を展開している富裕層向けサービスだ。
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