キャタピラーと小松製作所、世界経済の反射鏡が映す「悲観と期待」
(画像=ZUU online)

日米の建設機械大手の株価が乱高下している。米国のキャタピラー社の株価は今年1月16日に過去最高値173.24ドルを記録したあと10月29日の安値112.06ドルまで35%の下げを記録。同じく東京証券取引所に上場する小松製作所 <6301> も1月15日の過去最高値4475円から10月26日の安値2626円まで41%下落した。そして、先週30日にはキャタピラーが3%高と4営業日ぶりに反発、小松製作所(以下、コマツ)も30日に6%高、31日に5%高となるなど上下に荒っぽい値動きとなっている。

それにしても両社の株価変動は驚くほど似ている。高値や安値を付けた日はもちろん、下落率もほぼ一致している。チャートの形状もまるで息を合わせたようにそっくりだ。そんな両社は景気変動に敏感で、ときには世界の経済情勢を「先取り」して大きく動く場面も珍しくない。最近の乱高下は、そうした先行きに対する「悲観」と「期待」が入り混じった状況を示しているのかもしれない。

ところで、「株は経済の先行きを映す鏡」との格言があるが、その鏡は必ずしも真実を映しているわけではない。ときには「反射鏡」のように過剰な光を放ち、人々を驚かせパニックに陥れることさえある。今回は株式市場のそんな一面を見てみよう。