「平成最後の夏」も終わった今、インターネットに慣れ親しんだデジタルネイティブ世代がビジネスの場にも登場している。「インスタ映え」といった言葉も生まれる中、ピーヒョロヒョロとダイヤル回線でネットをつないで1990~2000年頃のインターネット黎明期の洗礼を受けた層はどう感じているだろうか。もしかすると、ちょっぴりデジタル空間での「生きづらさ」を感じているかもしれない。
平成は遠くなりにけり……そんなノスタルジアに共感する人々が立ち上げた「#インターネット老人会」というハッシュタグが、昨今ネット空間をにぎわせているのをご存じだろうか。
「インターネット老人」のキーワード8選
テキストサイト、FLASH、キリ番……「インターネット老人」にとってはどれも心躍るキーワードではないだろうか。一方、SNSが中心のデジタルキッズにとっては「なんのこっちゃ」という感じかもしれない。「インターネット老人会」の定義は確固としたものがないが、1996年〜2002年頃にパソコン通信やインターネットを使っていた層を指すようだ。代表的なキーワードをまとめてみよう。
1.キリ番
初期のウェブサイトには、訪問者数をカウントする「アクセスカウンター」が設置されていた。多くの場合、トップページに「ようこそ!あなたは○○○人目の訪問者です!」などと表示されていたものだ。ここで、「1000番」や「888番」などのキリの良い番号(キリ番)に当たると、サイト内の「掲示板」(これまた懐かしい)で報告することが多かった。
中には、「キリ番踏み逃げ禁止」(キリ番に当たったにも関わらず報告せずに立ち去ること)という独自ルールを掲げるサイトや、キリ番を踏んだ特典として「管理人」にイラストなどのリクエストができるシステムもあった。
2.テレホタイム
テレホーダイとは、1995年よりNTT東日本・西日本が導入した23時から翌日8時までの定額制電話料金サービスだ。これを「テレホタイム」と呼んだ。テレホタイムになるとネットワークが重くなるため、乗り遅れないためにも23時前からパソコンの前に座って待機したものだ。
3.バナー交換
初期のインターネットは、今のようにググればあらゆる情報が手に入るわけではなかったので、多くのサイトに「リンク集」が設置されていた。これは、自分のサイトと関係のあるホームページを集めた電話帳のようなものだ。(電話帳自体も過去の遺物かもしれないが)このリンク集を作成するとき、文字だけでは味気ないので、長方形の「バナー」を貼ることも多く、お互いのホームページにリンク付きバナーを掲載し合うことを「バナー交換」と呼んだ。
4.ウェブリング
上記の相互リンクやバナー交換の派生で、特定の定義を持ったウェブサイトをつなぎ合わせること。同じテーマのウェブサイトを探しやすくするというメリットがあった。前後のサイトを訪問するだけでなく、登録されたサイト内をランダムに飛ばされることもあった。
5.テキストサイト
文章をメインコンテンツにしたウェブサイトのうち、役立つ情報を広く伝える目的ではなく、真偽不明の私的な話題や空想、文章によるお遊びなどを集めたサイト。一個人による発信にも関わらず、多くの訪問者を集めた有名サイトもあった。今のブログの走りともいえるかもしれない。
6.ネチケット
インターネット黎明期には、さまざまな「お約束」があった。ネットワーク(network)とエチケット(etiquette)を組み合わせて「ネチケット」と呼ばれていたものだ。いわゆる「他人のホームページの内容を無断複製しない」「他人の誹謗中傷はしない」という当たり前のものから、「容量の多すぎる添付ファイルを電子メールで送信しない」など、ネット回線が貧弱だった当時の状況を反映したものまでさまざまだった。
7.ポストペット
ポストペットは、ソネットエンタテインメント株式会社が販売していた電子メールソフトで、1997年に最初のバージョンが発売された。ピンクのクマのぬいぐるみ「モモ」などかわいらしいキャラクターがメールを届けるだけでなく、ペットの育成やコミュニケーションも可能だった。
8.ジオシティーズ
今はホームページもブログも無料で作れるのが当たり前になったが、インターネット黎明期の当時、無料ホームページといえばジオシティーズだった。1994年にサービスを開始したジオシティーズは、多くの人がSNSや他サービスに移行した後も「誰かが必要としているかもしれないページを削除するのは忍びなく」とサービスを維持し続けてきた。しかしながら、採算面やテクノロジー上などの課題に直面し、ついに先ごろ2019年3月末をもってサービスを終了すると発表した。
ハッシュタグ「#インターネット老人会」
このようにある年代にとっては語り出したら止まらない懐かしのインターネット。もしピンときたら、「#インターネット老人会」というハッシュタグから過去の思い出に浸るのも良いのではないだろうか。(提供:百計ONLINE)
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