2018年11月8日(木)Market TalkのSummary

・米中間選挙後の米中貿易戦争の行方
これまでの中国に対する強硬な態度は、トランプ大統領だけではなく、議会も皆そうである。今回の選挙で「ねじれ議会」となったが、それで何か変わるのかというと何も変わらないだろう。中国への危機感は議会を含めアメリカの政権を握っている人たちが持っている共通認識で、強硬路線は変わらない。ただトランプ大統領の無謀、過激なアクションは少し収まるのではないか。ここから一段とエスカレートする可能性は少ないと思う。

・VIX、米国債、シカゴのオプションなどの動向をみると、このようなほぼプロしかやっていないマーケットではリスク回避の動きは出ていない。株式だけがリスク回避の動きとなっている。

・株価はファンダメンタルズで決まる。しかし、ファンダメンタルズはトレンドの中心にあるが、株価は過大・過小評価をしてそこから常に上下に振れている。株価がトレンドの中心点にいることは極めて少ない。理屈で説明できる部分は2割ほどだが、この理屈を分かっていないと上下に振り切れた時に「ここから先は理屈ではない」と説明できない。だからファンダメンタルズ、バリュエーションを見て、現在の株価がどの位置にいるのかを把握することが重要。

・今回の日本企業の決算は下振れている企業もあるが、電子部品関連や信越化学、コマツ、ソニー、トヨタなどは上振れで、結局今回の中間決算は業績が過去最高まで上方修正されている。日経平均EPS、PERから見て、日経平均は年明けは難しいが年度内には25,600円ほどのところまで行くのではないか。 

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広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

【関連リンク マネックス証券より】
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