政府発表で検討中の段階(平成28年8月30日時点)ですが、現在所得税の控除として設定されている配偶者控除(38万円控除)を廃止して新たに「夫婦控除」を設けるという税制改正を平成29年度に盛り込んでいくということです。
これは共働き夫婦で、配偶者の年収を103万円以下に抑えている家庭には大きなニュースとなります。
といいますのはこの所得税の配偶者控除は年収が103万円以下であれば最大額での適用があるのですが、103万円を超えてしまうと控除額が減ってしまうため多くの家庭では共働き夫婦の一方の年収を103万円以下に調整するようなワークスタイルがとられています。
しかし本来はもっと働きたい、働けるはずなのに税制によって103万円の壁を超えられずに仕事をセーブしているようなケースであれば雇用側としても、労働者側としても配偶者控除が足かせになることがあります。
政府としては女性の社会進出を目指しているということもあり、まずは現状の税制で夫婦の仕事環境において大きな影響を与えている配偶者控除を廃止してテコ入れを行うことで女性の社会進出を税制面から後押しする狙いがあるということです。
一方で配偶者控除の廃止・縮小には専業主婦からの反対の声も多くあり、これまで幾度となく議論されては改正がなされない状況が続いていました。
そこで配偶者控除をなくすのではなく、「夫婦控除」という形で働いていても、専業主婦でも控除を受ける内容での議論がなされています。これは夫婦合計の所得が一定額以下であれば適用されるような内容となりそうです。
(提供:チェスターNEWS)