ZUU<4387>は2018年11月9日、2019年3月期第2四半期を発表した。本記事では、同日発表された「2019年3月期第2四半期 決算説明資料」をスライド形式で解説していく。

ZUU決算_2018年11月
ZUU決算_2018年11月

「メディア・サービス」、「フィンテック化支援サービス」ともに売上高が順調に伸長。

メディア・サービスは『ZUU online』のブランド力向上、新商材による貢献で増収。フィンテック化支援サービスはストック性がある既存案件に加えて、大型の新規案件も増収に寄与した。

費用面においては、事業領域の拡大に伴う従業員数の増加、支援案件増に伴う各種制作費の増加、一過性の投資(アプリ初期開発等)により増加したが、大幅な売上高増がカバーし、大幅増益に。

ZUU決算_2018年11月
(画像=ZUU決算_2018年11月)

連結売上高(2019年3月期第2四半期 累計)は、前年同期比(2018年3月期第2四半期 累計)42%増の623百万円に。

フィンテック化支援サービスの売上高(同)は、前年同期比(同)279百万円から39%増の389百万円に。メディア・サービスの売上高(同)は、前年同期比(同)157百万円から46%増の230百万円に。

フィンテック化支援サービスは、ストック性がある既存案件に加え、大型の新規案件も増収に寄与。メディア・サービスは、今期より開始した『ZUU online』の『Brand Channel』等が更なるブランド力向上をもたらした結果に。また、金融情報月刊誌『ネットマネー』や金融特化型リクルーティング支援も売上に貢献した。

連結営業利益は前年同期比で125%の増益に。第2四半期の後半には『ZUU online』のアプリ版初期開発等のため一過性投資を実施。

第2四半期累計での進捗率は、通期予想の売上高11.7億円、営業利益1.7億円に対して、それぞれ53%/60%で堅調に推移。

IPOや『ZUU online』の『Brand Channel』等のリリースをキッカケにブランド力が向上。

ZUU onlineを始めとするプラットフォーム利用者数の増加にも寄与。2018年9月時点で539万人を突破し、2018年3月時点における429万人から利用者は拡大中。

ストック性ビジネスに加え、取扱い商材の増加もあり、取引先企業数も増加中。

ZUU online上にて、金融機関のオンライン店舗『Brand Channel』の拡充を推進。新たに、SBI証券、東証マネ部、ふくおかフィナンシャルグループ、楽天証券などが参加し、登録数は53社にのぼる(2018年9月末時点)。

IPO時からの中期戦略である、非金融企業への顧客網を拡充。

NTTドコモとの共同メディアとして、女性向け金融専門メディア『fuelle』(2018年3月)、男性向け金融特化メディア『MONEY TIMES』(2018年9月)をリリース。今後もNTTドコモのユーザーへ多様なサービスを提供すべく、協業を深化・拡大させていく考え。

IPO時の中期戦略として掲げた、『ZUU online』の会員化を強力に推進中、2018年7月には2つの有料プログラム(月額1,480円、同4,980円)もスタート。

集客の大きな差別化要因になり得る、自社制作コンテンツを質・量ともに強化中。金融機関従事者向けに特化した独自コンテンツ(専用スライド、金融営業支援、イベント等の提供)が好評。第2四半期の後半には会員獲得の広告プロモーションも徐々に開始。

会員数データは、相応の規模に拡充できた段階で開示していく予定。

フィンテック化支援の一環として、金融機関等に向けた業務効率化支援を拡充していく計画。これまで、ZUU代表の著書『鬼速PDCA』をベースとした、『鬼速PDCA実践プログラム』の導入・研修を、主に金融機関様へ提供してきた。

2018年9月には、HR Techクラウド市場最大手で人事評価クラウドの開発ノウハウを有する「あしたのチーム」との協業を公表。機能性・操作性に優れた『PDCAクラウド』を共同開発中。開発後は、あしたのチームの既存顧客網へのアプローチ等を念頭に、販売パートナーシップも組み、拡販させていく考え。

本格的な海外進出に向けた準備として2016年より進出してきたシンガポール・ビジネスが四半期ベースでも第2四半期に営業黒字化に。単月ベースでの黒字からさらに進展。

日本国内と同様、金融特化型メディアとしてシンガポールでも徐々にブランドが浸透。UOBグループ、MayBank、Schrodersをはじめとする大手金融機関が継続的に各種プロモーションのために活用中。

ローカル人員による事業運営ノウハウ、日本拠点とのノウハウ/業務共通化によるシナジー創出などの実績を積む。今後の2ヵ国目への海外進出時の糧に。

次四半期以降の打ち手として、①非金融企業のフィンテック化支援、②金融特化型DMPの 始動、③来期の新商材向け成長投資の3つの施策に着手。

次四半期以降の打ち手①「非金融企業のフィンテック化支援」については、従来の金融機関向けサービスを継続成長させるとともに、非金融企業向けにも同種のサービスを提供し成長を加速させていく予定。

富裕層顧客を多く抱える非金融企業向けにフィンテック・サービスの提供を本格展開中。オンライン化が進展していない業種/企業向けに、ZUUの金融機関向けフィンテック化支援サービスで培ってきたノウハウを展開していく。

前述の通り通信業界ではNTTドコモとの協業を進行中。その他、ANA(全日本空輸)をはじめ、他業種に向けた支援を拡大中。

次四半期以降の打ち手②「金融特化型DMP」については、ZUU onlineの会員データ(職業、役職、年収、居住エリア等)とコンテンツの購読履歴を掛け合わせ、ユーザーとのコミュニケーションを最適化するためのプラットフォームを構築していく。2018年末には提供開始予定。

ユーザー理解が深まることでエンゲージメントが向上し、個々のユーザーニーズにマッチしたマーケティングが実現可能に。特定の金融情報に興味が高いユーザーを抽出し、他メディアを中心により収益性の高い広告配信に繋げていく考え。

次四半期以降の打ち手③「来期の新商材向け成長投資」については、来期より本格化させる新商材を迅速に立ち上げるべく、今期業績へ大きなインパクトのない範囲で、次の3つの領域への成長投資を検討。(1)『ZUU online』のアプリ版の開発、(2)金融商材のより直接的な取り扱いへの社内体制準備、(3)東南アジアで2ヵ国目への進出。

「来期の新商材向け成長投資」において、ZUUの強みを活かした領域に積極的に成長投資を行うことで、更なる高成長ステージへの突入を目指していく。成長投資を今期から始めることで、PDCAに早期着手し、来期以降の着実な成長に繋げることを狙う。

2017年上期より開始してきた成長投資の一環である「金融特化型リクルーティング支援」は、1年程経過後の第2四半期累計において売上高29百万円と順調に拡大中。転職斡旋を中心にキャリア・イベントの開催等、HR領域全般への支援を展開。

『ZUU online』ユーザーには金融機関従事者も多く、金融業界向けリクルーティング支援を行う際、転職希望者を募ることが容易であることが強みに。転職希望者の集客能力が好感され、人材紹介専業の大手企業様との協業取組みも増加。足元では、金融業界向けに加え、経営管理職向け(例:CFOや経企人材)等、事業領域が更に拡大している。

来期の新商材向け成長投資(1)「『ZUU online』アプリ版の開発」について、C向けのサブスクリプション型サービスを本格化するにあたり、アプリを投入することで“スマホで普段使い”されるユーザーを増加させていく狙い。2018年末~2019年始にリリース予定。

本アプリを柱にしつつ、ZUUの他商材(例:金融特化型リクルーティング)と、顧客企業向けメディア・プラットフォームとの会員データの連携、等の拡がりも模索していく。

「来期の新商材向け成長投資」(2)「金融商材のより直接的な取り扱いへの社内体制準備」については、構想段階としつつ「証券/ロボアドバイザー」「ファイナンシャル・プランニング」「ファンド運営」「仮想通貨/ブロックチェーン」「レンディング」「クラウド・ファンディング」への進出を候補として検討中。それぞれにおいて、参入の検証、及び、必要な関連許認可の取得/登録を検討中。

「来期の新商材向け成長投資」(3)「東南アジアで2ヵ国目への進出」について、マレーシアを進出国として選定。2018年末~2019年始に進出予定。

海外進出の第一弾として展開しているシンガポールでの顧客にはマレーシア系企業が既に多数あり、シンガポールと人種/文化も近似、且つ、他要素(オンライン化や金融商材の浸透度等)も鑑みた結果として選定。マレーシアは発展途上国の要素もあり、新たな進出ノウハウの習得もでき、今後の進出先候補の増に。

>>ZUU IRページはこちら