※2018年1月以降発生の相続について、「広大地評価」は適用できません。代わりに「地積規模の大きな宅地の評価」が新設されています。※

相続税の土地評価の特例である広大地評価はすでにマンションが建っている土地については適用できないのでしょうか。答えはNOです。相続開始時点ですでにマンションが建っていても広大地評価が適用できるケースもあります。

1.標準的な使用形態か?

広大地評価
(画像=チェスターNEWS)

広大地評価は土地の相続税評価を大きく下げる評価方法ですが、広大地により相続税評価が下がる理由は広すぎる土地については使い勝手が悪く価値が落ちるためです。

このためたとえ広大な土地であってもその周辺地域の標準的な使用状況に照らして有効に利用されているものと認められる場合には広大地評価の適用はできないのです。

また広大地評価が適用できるためには「マンション適地」ではないことという要件があります。すでにマンションが建っている場合にはどうなるのでしょうか?

2.すでにマンションが建っていても広大地評価できるときがある

広大地評価は対象地がマンション適地であれば適用できません。そうするとすでにマンションが建っている土地については広大地評価が難しいように思えます。

しかしながら必ずしもマンションがすでに建っているからといって広大地評価ができないわけではありません。

たとえば明らかに戸建て地域において、土地所有者の趣味で賃貸マンションを建築しているような場合、その周辺地域の標準的な使用状況に照らして有効に利用されているとは言い難いケースがあります。

そのような場合には税務署に対して対象地の有効利用方法は明らかに戸建て分譲であり、マンションが建っているのは特殊要因に過ぎず広大地評価適用する旨の不動産鑑定士の意見書等を添付して戦う余地も十分にあります。

3.まとめ

この記事では広大地評価がすでにマンションが建っている土地についても適用可能かどうかについて解説しました。相続税申告をする際に500㎡以上の土地にマンションが建っていてもすぐに広大地適用不可と判断するのではなく、周囲の状況に照らして有効利用されているかどうかを不動産鑑定士等の専門家の意見も考慮しながら慎重に検討するとよいでしょう。

(提供:チェスターNEWS