2018年11月15日(木)Market TalkのSummary

・米国株の今後の展望は

今回の米国株の下げは、最初は金利上昇に対するバリュエーション調整、次は需給の調整によるもの。そして中間選挙後に4分の3ほど戻し、いったん落ち着いた動きになったところで、下げ止まらない原油安に引っ張られて下がってしまっている状況。原油が下げ止まらないと米株もなかなか落ち着かないだろうが、原油については、今年の安値に面合わせしている、IEAの見通しで原油の需要は堅いとの予想、などからそろそろ下げ止まるのではないか。

・日本株の今後の展望は

日本株は米国株に引っ張られて動いているようにみえるが、実は景気に連動して動いており、足元の景気に連動して動くのが日本株の特徴。日本の7-9月期GDPはマイナス成長だったが、言われているとおり災害によるもので、10-12月期はその反動で持ち直すだろう。そうなれば年内いっぱい景気拡大が続くと戦後最長の73カ月にならぶ。来年以降も不透明要因はあるもののゆるやかな成長が続くであろう。そうなれば株価も持ち直す可能性は十分ある。その前提として、まずは原油安に歯止めがかかって米国株が完全に底入れすることが挙げられる。

・GAFA銘柄は一端天井を付けたとみていいでしょうか?

いったん天井をつけたと思う。米長期金利の上昇がゆるやかになれば、米国株も立ち直ってくるだろうから、今はいったん天井をつけてしばらく抜けないかもしれないが、また多分抜いてくると思う。

・年末高はあると思いますか?

今月の米中首脳会談しだいではないか。良好な形ですすめば12月高になるのでは。

・日銀は12月の会合でマイナス金利の解除または縮小を行うと思われますか?

マイナス金利の解除、縮小は行わないだろう。災害要因があるとはいえ7-9月期GDPがマイナス成長、10-12月期に持ち直す予想が出ている中で、来年の消費増税を本当にやるのか?といった話も出ている状況でその前に引き締めはできないだろう。

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広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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