東京都世田谷区の南西に位置する「二子玉川」。渋谷まで電車で約10~15分と交通の便も良く、便利なショッピングセンターに加えて、豊かな自然も楽しめる。おしゃれなイメージのある街だが、家族3人で住むマンションを購入するには、世帯年収は実質いくらぐらい必要なのか?
二子玉川の新築マンションを購入するなら年収950万円が必要?
まずファミリー層に人気の広さ70平方メートルほど、間取り2DK〜3LDKのマンションの価格を見てみよう。なお住宅ローンを組む際、返済比率(収入に占める返済額の割合)35%以内を一つの基準としているところが多いため、この返済比率から必要な世帯年収を試算する。
二子玉川の70平方メートル台の新築マンションの価格帯は4,900万円~1億3,000万円、平均して約8,000万円程度が相場だ。この8,000万円を基準として頭金(自己資金)を1割(800万円)用意したとすると、銀行で7,200万円の住宅ローンを組むことになる。返済期間35年、審査金利3%の場合、年間返済額は約332万円(毎月27万7,092円・ボーナス返済なし)となり、返済比率35%から逆算すると必要な世帯年収は約950万円となる。
頭金(自己資金)を2割(1,600万円)と多めに用意し、6,400万円の住宅ローンを組むとすると、年間返済額は約295万円(毎月24万6,000円・ボーナス返済なし)。必要な世帯年収は約845万円だ。
審査金利3%、返済期間35年で8,000万円の新築マンションを購入するシミュレーションをまとめると、
●頭金800万円を用意した場合
住宅ローン(借入) 7,200万円
年間返済額 約332万円
月返済額 27万7,092円(※ボーナス返済なし)
必要な世帯年収 約950万円
●頭金1,600万円を用意した場合
住宅ローン(借入) 6,400万円
年間返済額 約295万円
月返済額 24万6,000円(※ボーナス返済なし)
必要な世帯年収 約845万円
となる。
5,000万円で中古マンションを購入するなら年収660万円程度が目安
次に中古マンションはどうだろうか。不動産情報サイト「ライフルホームズ」によると、二子玉川の70平方メートルの中古マンションの相場は約5,200万円。二子玉川で家族3人が暮らすマンションの購入を考えているなら5,500万円程度は見積もっておきたいところだ。
5,500万円の物件を購入すると仮定するために、頭金は約1割(500万円)を用意し、住宅ローンを5,000万円組むと仮定しよう。返済期間35年、審査金利3%の場合、年間返済額は約231万円(毎月19万2,425円・ボーナス返済なし)となり、必要な世帯年収は約660万円となる。
まとめると、
住宅ローン(借入) 5,000万円
年間返済額 約231万円
月返済額 19万2,425円(※ボーナス返済なし)
必要な世帯年収 約660万円
最低でも世帯年収750万円以上がポイント?
上述の年収が確保できれば、二子玉川に暮らし続けられるのかというと、そういう訳ではない。
住宅ローン以外にも課税標準額(建物なら時価)の1.4%の固定資産税が課税される。また子供の学費や生活費など日々必要な諸経費も考慮に入れなくてはならない。
年収660万円の人の住宅費を除いた月の平均消費支出は29万円ほど、年収950万円なら44万円(総務省統計局の家計調査より)。また文部科学省の複数の調査結果によると、通学期間が19年間だとすると子供の教育費は年12万〜30万円かかるとされている。
総合すると世帯年収は750万~1,050万円程度必要になるだろう。現在、この年収に達していたとしても、転職や育児、疾病などによって、世帯年収が減少するということも考えられる。将来に渡り、このラインを維持できるかがポイントだ。
ビジネスと子育てが両立しやすい住環境
二子玉川は東急線2路線(田園都市線・大井町線)が利用でき、都心までのアクセスもいい。駅には、ショッピングセンター、オフィス、ホテルなどの複合施設「二子玉川ライズ」や「玉川高島屋S・C」などの商業施設もある。さらに自然を感じることができる「多摩川」や「二子玉川公園」や、子連れでの入店を歓迎しているカフェなどの飲食店が数多くあるのもファミリーにとってはうれしいところ。ビジネスと子育ての両立がしやすい住環境といえるだろう。
決して安いとはいえないが、交通・買い物・生活と様々な面でメリットを享受できるのが何よりの魅力だ。二子玉川に家族で暮らしたいという人は、さらにリサーチしてみるといいだろう。
文・春美 悠(ファイナンシャル・プランナー)/MONEY TIMES
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