正式名称:米地区連銀経済報告書(ベージュブック)

ポイント:2週間後のFOMCでの議論のたたき台となるため、金融政策を予測する上で重要な報告

概要:12地区にある中心的な金融機関(連邦銀行)が12地域の経済状況と全米規模の経済状況(雇用・生産・販売・出荷・在庫・貿易・物価)を報告したもので、1983年に公表が開始された。報告書がベージュ色のため、「ベージュブック」と呼ばれる。次期連邦公開市場委員会(FOMC)での協議内容を予想するための、経済状況・経済指標を分析している。米国の金融政策を決めるための重要な判断材料ですので、米国と取引をしている海外の金融機関や企業、投資家などもとても注目している。

特徴:米地区連銀経済報告書(ベージュブック)は産業別、個人・法人分野ではなく、全国規模の景況感が把握できるうえ、各地区連銀による先験的な景況感を理解するのにも役立つ。主要な景気項目について網羅的に評価・解説が行われるため、米国の経済状況の概要が把握できるのも魅力の一つだ。しかし、各地区連銀の裁量による報告書であるため、一貫性・統一性に欠ける。また、民間のエコノミストやアナリストの予想と報告結果に差異があまりないので、市場にサプライズをもたらすことは少ない。ただ、米地区連銀経済報告書(ベージュブック)の内容は株式市場や債権市場に大きな影響を与えるため、それらの値動きに追従して為替変動が起こることがある。

洞察(インサイト):報告書の内容次第では市場に影響を及ぼす。米国経済への楽観的な見解が示された場合、2週間後の連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利引き上げの可能性が高まる。また、債券市場は下落し、ドル高要因にもなる。

逆に米国経済への悲観的な見解が示された場合、2週間後の連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利引き上げの可能性が高まる。また、債券市場は上昇し、ドル安要因にもなる。

発表時期:連邦公開市場委員会(FOMC)開催2週間前の水曜日(米国東部時間14:15)

重要度:1