正式名称:雇用統計

ポイント:米国の雇用情勢を反映する最も重要な雇用関連指標

概要:毎月12日を含む週に働き報酬が発生した賃金労働者の雇用状況を示す指標。世界各国がそれぞれの雇用統計を発表しているが、アメリカの雇用統計は注目度が高く、為替相場に与える影響が大きい。米雇用統計は10項目以上の指標で成り立っているが、「非農業部門雇用者数」と「失業率」の2項目が中心項目である。この2指標の「事前予想値」と「発表値」の差が、為替相場に影響を与える。「非農業部門雇用者数」は、「事前予想値」とは異なる数字を出すことが多く、市場を驚かせる。なので、雇用統計のことを「お祭り」と呼ぶことがある。

特徴:まず、米国の雇用統計を網羅している点・注目度が高いことで連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策決定にも大きな影響を与える点で重要な指標である。ただ、幾つか留意点もある。季節要因での変動があり、修正幅が大きいという点や、失業率と非農業部門雇用者数の調査方法が違うため、整合性がない場合もあるという点だ。景気回復時の特徴として、失業率は遅行指標なので、景気回復のタイミングから遅行して反落する。その理由は景気後退時に就職を諦めていた人々などが、景気回復に伴う雇用機会の改善によって労働市場に職を求めて戻ってくるからだ。

洞察(インサイト):雇用統計が改善した場合、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め観測が高まることで、債券・株式市場は軟調推移となり、米国金利上昇観測からドルは堅調推移となる。また、米国の景気回復観測が高まることで、株式市場には好材料となる。悪化した場合には、米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和観測が高まることで、債券・株式市場は堅調推移となり、米国金利低下観測からドルは軟調推移となる。また、景気減速懸念が高まることで、株式市場には悪材料となる。

発表頻度:毎月

発表時期:毎月第一週の金曜日(米国東部時間午前8時30分)

重要度:1