2018年11月22日(木)Market TalkのSummary
・中国の景気について
中国の景気が減速するから世界の景気も悪くなる、という悲観論が多いが、今後中国の景気は減速しないのではないか。これまでは減速していたが、中国政府も銀行の融資、インフラ投資、税金面で対策を行い、早晩景気が上向いてくる可能性が高いと思う。 中国景気が減速しない、となればポジティブサプライズで市場のセンチメントも回復するのではないか。
・欧州では1人勝ちのドイツが政局不安や株価暴落、経済低迷、加えてイタリア問題などで揺れていますが、今後のユーロとマーケットの展開を教えて下さい
そういったものを材料にマーケットは揺れるだろうが、元々は米国発の世界同時株安に巻き込まれている状態。米国株の調整もいいところまできているだろうと思われるので、買い場なのではないか。ヨーロッパの弱さとして景況感の低迷が挙げられるが、理由のひとつに中国との結びつきがある。中国が立ち直ってくればヨーロッパもまた息を吹き返すだろう。中国を軸に考えるとユーロの魅力も出てくるのではないか。
・今年の1月をピークに下落トレンドの銀行株ですが、最近特に下落幅が大きく歯止めが掛からない状態となっています。今後の展開は如何でしょうか?
銀行株が下落している原因は、金利が下がってしまったから。日本の金利は0.1%割れ、アメリカの金利もいったんピークアウトした感があるので、それにつられている。それでもいくらなんでも安すぎるという部分はある。メガバンクについてはいつかくるであろう金利上昇で戻ることもあるだろうが、それまでは配当利回りの面で十分投資対象となるだろう。
・広木さんの先日のレポートで2015年から2016年に似てるとありましたがイギリスEU離脱難航で20000円割れなどのリスクもあるのか?
20,000円割れはないのではないか。昨日で日経平均のPERは12.1倍。アベノミクス相場始まって以来の低さだ。ここまで企業の業績を市場が評価できなかった、ということは無いぐらいまで売られているので、ほぼ底値に達していると思う。ハードブレグジットになったとして市場にショックが走った場合どこまで売られるかは分からないが、ショックによる株価の下振れは瞬間的なものなので、そこは買い場となるのではないか。
・1月の7500円から半値近く下がっているオムロンの見通しをお願いします
オムロンのようなハイテク銘柄については、ものは良いのに市場の評価が低く株価が低迷している銘柄が多い。ただこれからの時代、こういった企業のセンサー、モジュールなどの需要は強くなる。株価はその場の市場心理で揺れ動くが、オムロンの事業自体は堅実で色々なところの需要にこたえるビジネスをやっている。こういった会社の企業価値はいつかまた評価が高まるだろう。
広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
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