人生の折り返し地点とも言える40代。「老後」という未来が現実的に迫り、本格的な人生プランや資産形成をスタートさせる時期でもある。日本FP協会が行った「くらしとお金に関する調査2018」の結果から、40代の現在とお金のリアルが見えてきた。

世の中の40代はどのくらい資産を持っている?

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世代別金融資産調査によると40代の平均資産額は604 万円。30代の556万円と比較してもさほどの増額が見られないのは30代〜40代が、結婚や出産、マイホーム購入などライフイベントの多い時期であることも関係しているだろう。

一方で、50代は平均資産額1,533 万円と40代と比較して約2.5倍に増やしていることから、40代からなんらかの資産形成をスタートし、成功を収めている人が多いようだ。

資産を増やすきっかけは「老後への不安」から

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日本FP協会がまとめた調査を見ると40代で本格的な資産形成を始めるきっかけは、老後の不安からというリアルも見えてきた。

「くらしに対する意識調査」では、すべての世代の中で40代の満足度が最も低く、調査を受けたうちのおよそ半数にあたる52.5%が現在の暮らしに不満を感じているという結果に。

このように過半数が不満を抱く理由には、「老後のくらし」に対する不安が大きく関係しているようだ。老後の暮らしへ不安を持つ40代は83.5%。全世代で最も割合の高い30代の85%と合わせてみても、この世代間ではやはり老後への不安が大きいことが分かる。

不安を感じる大きな理由は、「老後の生活設計」や「住まいにかかる費用・住まいのあり方」が挙げられる。「趣味・生きがい」については他の年齢よりも値が低いことから、プライベートの充実が垣間見えるも、「親などの介護」への不安は全世代で最も値が高く、高齢になった親など身近で老後の生活を目の当たりにすることが、将来への不安を募らせているのかもしれない。

みんな、どんな資産形成を考えているのか?

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40代は老後への不安を解消させるために、どんな資産形成を選んでいるのだろうか。

「老後のための資産形成において有効だと思う制度」(複数回答形式)では、「公的年金」と「私的年金」がすべての世代で最も多い値となったが、中でも40代男性はほぼ過半数を占めている。

一方で「iDeCO」や、「つみたてNISA」などへの関心も高く、新制度の活用も視野に入れている。どちらも運用益や利益が非課税となるのも働き盛りの40代にとって大きなメリットだろう。

昔と比べて現役期間が長い今だからこそ

人生100年とも言われる昨今、長い老後のための準備が課題となっている。資産運用はもちろんだが、昔と比べて現役期間が長くなっている分、長期的なキャリアプランも必要になる。

40代男性は、社会人が教育機関で学び直す制度「リカレント教育」への興味も高いようで、法整備が急速に進む今、いち早く検討している人も多いようだ。

資産形成やキャリアアップ制度の活用をしっかり考えておくことで、老後への準備はもちろん、現在の満足度やビジネスパーソンとしての可能性を高めることにも役立つはずだ。

文・三島ゆき(フリーライター)

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