土地や建物を相続した場合、価値が高い分、支払う相続税も大きくなるのではないかと思われることが多いようですが、建物は“ある”評価方法を使うために意外と相続税が安く抑えられます。
また、持家ではなく貸家を相続した場合は、さらに減額できる仕組みがあります。
それぞれについて詳しくみていきましょう。
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1.持家を相続した場合
建物評価額の計算はだいたい4割減
おおよその目安になりますが、建物の固定資産税評価額は建築費用の約6割程度になります。
これは年々減価償却により価値が減少しているため、築年数が古ければ古いほど評価が低くなる仕組みです。
例えばですが、5年前に1億円で買った家も固定資産税評価をすると約4000万円~5000万円ほどになります。
こう見ると頑張って建てた家が安くなってしまうと悲しくなるかもしれませんが、逆にこの特性を生かした効果的な生前対策を練ることもできます。
それは次に見る貸家を使い行う生前対策で、そのメリットの大きさからわざわざご自身の家を貸家にして新しく家を建てる方もいらっしゃるほどです。
2.貸家を相続した場合
貸家はさらに評価を下げることが可能
他人に貸している貸家を相続した場合、固定資産税評価での評価減に加えて30%控除ができることになっています。
なぜ貸家が30%も控除されるかというと相続発生時に借り手がいた場合、所有者がすぐに出て行って下さいとお願いすることが難しいためです。
所有権はありますが、実質的に権利に制限がかかるため考慮がされています。
3.生前対策に貸家は最適
建物は節税効果が高いと言えるので効率的に利用するのであれば、生前対策で使うのがベストと言えます。
空家を賃貸すると、さきほどのように相続税を大幅に節税できる上に、相続が発生する前までは継続して収入が入ってくるので節税にも収入アップにもメリットがあります。
4.貸家30%減額の控除を受けるには
貸家の30%控除を使うためには「相続開始時点」で賃料を受け取り、賃貸中であることが条件となります。
また相続開始時点で一時的に空き家(たまたま空き家になって募集中)である場合には、相続開始前後1か月を目安に賃貸が実際に決定すれば、30%控除の対象とすることができます。
5.その他の注意点
故人が賃料を受け取っていた場合に、所得税の確定申告を忘れずに行っていたかどうかを確認する必要もあります。
相続税申告の際に、賃貸していたから30%減額するということで申告書を出すため、税務署もきちんと賃料を確定申告していたかどうかを調べるためです。
仮に申告をしていなかった場合には、過去の分を修正申告する必要性が生じるおそれもあります。
6.まとめ
1000件以上申告をした経験から建物は「相続税が払えなかったらどうしよう」とあまり深く悩まなくとも大丈夫です。
ただ土地に関しては節税するための特例を適用するにあたって、使えるかどうかの判定や計算方法が難しいなどといったことがあります。
そのため特例を使えそうだったけど実は使えずに相続税の支払いが6倍になってしまったという実例もありますので、あなたが小規模宅地等の特例を使えるのかどうかのご判断は、小規模宅地等の特例で80%節税!土地を相続したら絶対使うべき特例から基本的な知識を付けたうえで専門家にご相談されることをオススメします。
(提供:チェスターNEWS)