朝方はアジア市場や欧州株式市場が軟調となったこと、特に欧州の政治的混乱を嫌気する動きもあり、売り先行となりました。政府高官の更迭などを嫌気する動きもあったのですが、売り一巡となると売られ過ぎ銘柄等を中心に買い戻しも入って切り返し、ハイテク銘柄なども買われて総じて堅調となりました。ただ、積極的に買い上がるということでもなく上値も限定的となりました。

諸々な悪材料が取りざたされていますが、利上げ打ち止め感がつよまっても今度は好感するということでもなく、逆に利上げできないほど景気が悪いという見方になってきており、利上げが好感されるのか懸念されるのかその時の雰囲気という感じです。買われ過ぎ銘柄の修正は一巡となったのですが、買い直されるということでもなく、株価は総じて冴えない展開が続くものと思われます。

個別には中国でスマートフォンの販売差し止めが伝えられたアップルはいったん売られたものの売り一巡から買い直され、自社株買い枠を増額したフェイスブックも大幅高となり、マイクロソフトやアルファベット、アマゾン・ドット・コムなどハイテク銘柄が堅調でした。利上げ打ち止めが伝えられたこともあって、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が安く、シェブロンやエクソンモービルなど石油株も軟調でした。

本日の相場

アルゴナビス清水の投資戦略
(画像=PIXTA)

昨日の日本市場は週末の米国株が大きく下落していたこともあり、売り先行となりました。特に売り急ぐ何かがあったということでもないのですが、大型上場を控えての換金売りなどもあって大きな下げとなりました。中国株なども安く、貿易摩擦問題など問題山積ということで買えない状況ということなのだと思います。

米国株が堅調となったことで本日の日本市場は堅調な展開が期待されます。貿易摩擦懸念や米国の利上げ懸念なども一服となり、売られ過ぎたものの買い戻しや値ごろ感からの買いが見られそうです。新規大型上場に絡む換金売りも一服となってきそうで、底堅さは見られると思います。売られ過ぎた銘柄などから買い直されると思います。小型銘柄等は値動きの軽いものが買われることになりそうです。

21,300円を割り込んで下値を試す動きになりましたが、21,000円を意識する水準までは下落となりませんでした。ただ、夜間取引で日経平均先物が21,000円を割り込むところまで売られて反発となったことでいったん底入れ感が出てくるということもありそうです。昨日とは逆に21,300円を超えてくるのかどうかということになりそうで、21,300円を超えてくれば21,500円を目指すことになるのでしょう。21,000円~23,000円での動きが続くと思われ、中心は21,500円~22,000円程度ということなのではないかと思います。

清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。