人生100年時代といわれるようになった今、「生きがいを得るために定年後も仕事がしたい」「老後も働いて、収入を得たい」と思う人もいるでしょう。そこで今回は、資格を取得しながらスキルアップして、老後に向けて準備するために考えておきたいことをお伝えします。

年金支給年齢の引き上げ!家族もなし……老後破産だけはイヤ

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(画像=PIXTA)

日本は、超高齢化社会へと進んでいます。長生きできることは喜ばしいことですが、同時にリスクも抱えることになります。近年では、年金の支給額が減少していくとともに、老齢厚生年金の支給開始年齢が、60歳から65歳へと段階的に引き上げられているのです。

幸せな老後を迎えるために、定年退職してから年金が支給されるまでの無年金の期間を、どのように乗り切れば老後破産しないでいられるか、今のうちから考えておきましょう。

例えば、老後資金を準備する方法としてお金の知識を学びながら、個人型の確定拠出年金(iDeCo)に加入する、つみたてNISAで老後に必要なお金を積み立てながら投資していく、といった方法もあります。

さらに、年齢を重ねても、企業から必要とされる技術を身につけるために資格を取得しておくのも、一つの対策になるでしょう。

定年後も働くなら資格取得が有利っていうけど?

インターネットで検索してみると、さまざまな資格サイトでシニア向けや再就職に有利とされる資格がランキング形式で紹介されています。とはいえ、資格を取得すれば安泰な老後が保障される、というものではありません。

なぜなら、経験も実績もない資格を持っていても、定年後に雇ってくれる企業は簡単に見つからないからです。

資格取得は、学びながら知識や技術を身につけてスキルアップし、自分自身の可能性を広げてくれるものです。これから資格を取得して定年後も働きたいと思うのであれば、40代の今のうちから、しっかりとライフプランやマネープランを立てながら、お金に換えられる資格を取得していく必要があるでしょう。

年金支給前・支給後に欲しい月収はこれくらい

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)単身世帯(2017年)」によると、現役で働いている35~59歳のひと月当たりの平均支出金額は、25万円ほど。老後を迎えたときには、この金額よりも3万円多い、27万円を用意しておきたいところ。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成29年)」によると、「経済的な豊かさを実感するためには、ある程度の年収が必要」だと思っている60歳以上は55.9%にのぼります。さらに、ひと月当たり最低でも25万円の生活費は欲しいと感じているようです。

その一方で、総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)」によると、実際の年金受給額の平均は107,171円となっています。この差額分について、老後資金の準備が必要になることがわかります。

さらにこれからは、消費税だけでなく、物価も上がっていくことが予想されます。年金だけに頼るのではなく、自ら収入を得ていくことは、老後の生活を豊かにするために必要なことといえます。

資格だけ貧乏と安定しているおばあちゃんとの差とは

資格を取得するためには、ある程度の時間とお金をかける必要があります。資格を取ることが目的になると、資格を取っただけで満足してしまい、お金のムダ遣いになることも……。

最近では「資格マニア」という言葉があるくらい、たくさんの資格を取っている人もいます。受講費だけを払って、資格を役立たせることなくお金を回収できなければ、「資格だけ貧乏」になるでしょう。もちろん、その資格が趣味だったら話は別です。

中には、好きで始めた習い事が、だんだんとスキルアップして実益を得ることもあります。60歳を過ぎてからは、年金の不足分を得られるくらい収入を得ている高齢者もいます。習い事を長年続けているうちに自然と人脈ができ、周りから頼られる存在になって「生きがい」を感じる人も多いようです。

アラフォー女性が老後も仕事したいならすべきこと

今は、女性も一生働いていく時代へと変わりつつあります。高齢になっても無理なく仕事が続けられることは、現役時代よりも、さらに充実した生活を送ることにつながります。そのためには、長く続けることができ、どのような仕事が自分に合うのか、時間を取って自分自身の棚卸しをしてみることが大切です。

これまでの経験やスキルを整理していくと、自分の新たな可能性にも気が付くでしょう。例えば、やっていて楽しいと思えることや、時間を忘れるくらい好きなことを学んでいるうちに、取得した資格などはありませんか?

今勤めている会社が副業OKならば、趣味から始めた習い事で取得した資格を生かしていくことも、老後の安定した収入につなげていく方法のひとつです。

また、どんなことを学んでいて、将来どのように仕事につなげていきたいのか、どんなことで社会の役に立てるのかを周囲に話しておくのも良いでしょう。

老後の仕事は健康状態にも左右されることに注意

働いて収入を得ながら自分らしい老後を過ごすことは、早めに準備に取りかかれば、そう難しいことではないのかもしれません。しかし、現実的な問題として、高齢者が仕事をやめる理由で一番多いのは「病気・高齢のため」という理由です。

高齢になっても元気で働き続けられるように、今まで以上に食事に気をつけ、適度な運動をしながら病気の予防をするなど、健康にも注意したいものですね。

文・小川あきこ(ファイナンシャル・プランナー)/fuelle

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