最近では、首都圏だけでなく、関西圏でも富裕層向け分譲マンションの販売が相次いでいます。その中でもとくに注目を集めたのが、京都御所近くに立地する最高価格7億円台の超高級マンションです。東京都心一等地の物件に匹敵する高値。このプライスは妥当どすの?探ります。
関西圏の超高級マンションの先がけとなった物件
関西圏で超高級マンションの建設が目立っています。2018年7月には、兵庫県芦屋市で2~5億円の超高級マンション「ブランズ芦屋 ザ・レジデンス(東急不動産)」が分譲を開始。今世紀に入ってからは関西圏最高額の坪単価610万円が話題となりました。
その数年前の2015年12月には一戸あたり最高価格7億4900万円の「ザ・パークハウス京都鴨川御所東(三菱地所レジデンス)」も発売されました。この価格は、1995年以降の関西の新築分譲マンションで最高額と言われています。
この7億円台の京都マンションはすでに完売済み。国内の富裕層だけでなく、北米やアジアなど海外の富裕層からの購入もあったと報道されています。近年の関西圏の超高級マンション建設の嚆矢(こうし)とも言えるこの物件に「7億円以上のプライスに見合う価値が本当にあるのか」を改めて考えていきます。
7億円の価値を3つの軸で考える
不動産の総体的な価値は「立地の魅力」「建物の価値」「希少性」などの要素で形成されます。7億円台の京都マンションの一つひとつの要素を確認していきましょう。
●立地の魅力
この物件のある立地は、京都を象徴する鴨川沿い、大文字の送り火を間近に楽しめるロケーション。京都御所や京都迎賓館と隣接する、由緒正しき、静かな一角です。「京都を手中にできるオンリーワンの立地」といっても過言ではありません。代わりがないということは、それだけ価値向上につながります。
●建物の価値
超高級マンションでは、先進の機能やデザイン性を追究するのは前提であり、それだけに差別化を図りにくい面もあります。このマンションでは京都という立地を活かし、ロビーに京都ゆかりの芸術家の作品をレイアウト、また水墨山水をイメージした作庭など独自の企画で他物件との差別化を図っています。
●稀少性
この物件の近辺は、大規模マンションを建てにくい地域であり、鴨川沿いのマンションとしては11年ぶりと言われます。京都市内全体で考えても、景観を守る規制、高さの規制があるため、マンションを建てにくい環境です。この制限が結果的に、京都市内のマンションの供給量を抑え、希少性が保たれています。
海外にも売れる資産価値を維持しやすい物件
前項で見てきたように、一つひとつの要素を確認していくと、7億円台の京都マンションの「関西圏最高額」の値付けにも頷けるのではないでしょうか。加えて、この物件には京都の観光地近くにあるという絶対的な強みもあります。
もともと京都は外国人観光客に人気の立地ですが、近年のインバウンド誘致によってさらにニーズが高まっています。京都の主なホテルの外国人利用割合は4割超(2017年度)。3割を切っていた3年前から着実に伸びており、それに伴って京都の認知度もますます高まっています。
このような背景を考えると、この物件を購入した方が、将来売却したい時、あるいは投資用物件として利用したい時に、海外の方も含めてアプローチすることが可能です。交渉相手が多いということは、それだけ有利な売値や賃料を設定しやすいということです。
このように様々な視点から7億円台京都マンションをチェックしていくと、確かに高額なものの、資産価値を維持したい、あるいは、キャピタルゲイン(売却益)を狙いたい方にとっては、関西圏最高額でも納得しやすいと言えるでしょう。
※本稿では、便宜上「7億円台の京都マンション」と表現していますが、7億円台は最高額であり、最多価格帯は9900万円です。
文・アレン琴子(英国在住のフリーライター)
(提供:JPRIME)
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