投資初心者が悩みがちなのがNISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの「非課税枠」の使い方だ。非課税枠を理解することは、NISAを利用する上で必須である。
NISAの極意は非課税枠を活用すること
NISA口座では、年間120万円(2015年以前は年間100万円)の新規投資額で得られた運用益に税金がかからない。投資信託や株式などの譲渡益や配当金などを得た際の収益には20.315%の税金がかかるが、この税金がかからないことが最大のメリットだ。
2018年12月現在、NISAには「NISA(一般NISA)」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類がある。3つのNISAは、投資スタイルや目的によって使い分けられるようにできているため、その意味でも特徴をしっかり理解すべきだろう。
NISAの概要
NISA口座の非課税対象は「株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益」である。
非課税枠は毎年追加――最大600万円の新規投資額が非課税
120万円の非課税枠は毎年追加されるため、1年目に120万円でNISAの非課税枠を使い切ったとしても、翌年は新たに120万円の非課税枠が手に入る。非課税枠を使い切れば120万円×5年で最大600万円までの新規投資額の利益が非課税になるわけだ。
ただし、年内に使い切れなかった非課税枠を繰り越すことはできない。例えば非課税枠を70万円使えば枠は50万円残るが、翌年の非課税枠は120万円である。
非課税期間経過後は新たな非課税枠に移行(ロールオーバー)できる
非課税期間は5年間で、5年経過後に保有している投資信託や上場株式の取り扱いには3つの選択肢がある。
(1)売却する
(2)特定口座などの課税口座に移す
(3)新たな非課税枠に移行する
(3)の新たに取得した非課税枠に移行することをロールオーバーと呼び、非課税期間5年経過後に新たな非課税枠へ投資信託や上場株式を移せば、配当金や売却益は非課税のままとなる。
最新NISA「つみたてNISA」は年間40万円まで、買えるのは投信のみ
つみたてNISAは2018年1月から始まった最新のNISAであり、年間40万円の非課税枠が設けられる。つみたてNISAの非課税対象は、「一定の投資信託から得られる分配金や譲渡益」であり、株式は対象ではない(対象の投信は金融庁Webサイトで公開されている)。
つみたてNISAの非課税期間は最長20年
非課税期間は最長20年間で、毎年40万円×20年で最大800万円分の投資資産が非課税の優遇措置を受けられる。非課税期間が長いことから、分散投資の効果も期待できる。
NISAとつみたてNISA、両方できるの?
NISA口座は1人1口座の開設に限られており、NISA口座で利用する制度はNISA、つみたてNISAのどちらか一方だけである。NISAとつみたてNISAを同時に利用することはできない。
ジュニアNISA 19歳まで年間80万円まで
ジュニアNISAは2016年1月から始まった19歳まで(口座を開設する年の1月1日に)の人が使える制度で、年間80万円まで新規投資額が非課税となる。対象となるのは、「株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益」。非課税期間は最長5年間で、NISA同様にロールオーバーできる。
ジュニアNISAの2つの制限事項
ジュニアNISAには2つの制限事項がある。
1 運用管理者は「口座開設者本人(未成年者)の二親等以内の親族(両親・祖父母等)」(引用元:金融庁Webサイト)
2 18歳までは原則として払い出しができない(ただし災害などやむを得ない場合は除く)。
NISAの非課税枠を使い切る
NISAの非課税枠は120万円。これをうまく利用するには、年間120万円の新規投資額の配分を考えることが大切だ。
資金に余裕があるなら、目を付けた投資対象に一括で120万円を投じれば非課税枠120万円を使い切ることができる。
時間の分散投資を考え、120万円を分割して(例えば20万円ずつに分割して6回)投資信託や上場株式を買う、あるいは異なる投資信託や上場株式に分散投資してもいいだろう。
ボーナスを活用して120万円の非課税枠を使い切る?
月々の給与から投資資金に充てられる金額を積み立てつつ、ボーナス時に追加で投資することで、120万円の非課税枠を使い切る方法もある。
非課税枠のメリットが享受できるのは利益が出た場合のみ
NISAの最大のメリットである非課税措置を受けられるのは、あくまでも利益が出た場合であり、投資は元本割れを起こす可能性があることを忘れてはいけない。
ただ、そもそもNISAは投資による資産形成を支援する目的で作られた、少額で投資を始める人のためにできた制度であり、損失が資産に及ぼす影響は比較的小さい。長期で活用して、しっかりと資産形成をしてもらいたい。
文・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES
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