40代が保険を比較する前に整理しておくべき3つのポイント 保険選びでは、複数の商品を比較検討する人も多い。しかし保険に何を求めるのか、何を重視するのかによって、比較すべきポイントは変わってくる。そのため保険を比較検討するにあたっては、自分のニーズや考えをあらかじめ整理しておく必要がある。

生命保険には比較ポイントがたくさんある

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(画像=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

生命保険は、商品によって特徴が大きく異なる。例えば死亡保険ひとつをとっても、
・掛け捨てタイプ
・解約返戻金あり
・終身タイプ
・定期タイプ
・更新あり
・更新なし
このように、さまざまに分類される。

さらに、分類されたタイプごとで比較するポイントも変わってくる。掛け捨てタイプであれば設計内容で保険料を比較、解約返戻金がある商品では保険料だけでなく解約返戻率も比較することが大切だ。

そのため生命保険を比較するにあたっては、自分のニーズや重視するポイントについてあらかじめ整理しておく必要があるのだ。

生命保険を比較する前に整理すべき3つのポイント

生命保険を比較するにあたっては、最低限、以下の3つのポイントを整理しておきたい。

何のための保障なのか?

まず、そもそも「何のために」生命保険に加入するのか、という点について整理しておく必要がある。遺された妻や子どもの生活保障のためなのか、子どもの学費のためなのか、葬儀費用を用意しておくためなのかというように目的を明確にする必要がある。

保険に加入する目的や必要な保障額がある程度明確になると、検討すべき商品が絞られ比較すべきポイントが見えてくる。具体的な保障内容はプランナーと話をする中で決めるとしても、何のために保険に加入するのか、その目的については事前に整理しておくほうが効率的に話が進む。

いつまで必要な保障なのか?

何のための保障なのか、という点について整理できたら、次はその保障が「いつまで」必要なのか、という点について考える必要がある。

例えば、遺族の生活保障のために大きな額の死亡保険に加入する場合、年金の支給が始まるまで、子どもが独立するまで、というように期間を限定した保障内容でよい。一方、葬儀費用の準備を目的に加入する保険であれば、生涯にわたって保障が受けられる終身タイプに加入するのが一般的だ。

定期保険なら、加入期間を年単位で決める「年満了プラン」にするのか、〇〇歳までというように年齢で決める「歳満了プラン」にするのか、といった点についても検討する必要がある。さらには、それぞれのプランで設計した場合の保険料についても比較する必要がある。この場合、安い保険料で大きな保障が得られる、収入保障保険も視野に入ってくるだろう。

一方、終身保険の場合は、保険料以外に解約返戻率や払込満了期間の設定の仕方、といった点についても比較することになる。

生命保険は、保障期間によって商品の選び方や比較すべきポイントが変わってくるのだ。

保障性を求めるのか?貯蓄性を求めるのか?

3つめのポイントは、保障を重視するのか、貯蓄を重視するのかという点についての検討だ。

保障性を重視して保険に加入する場合は、保障内容が自分の求める希望に見合っているかというポイントに重点をおいて比較する必要がある。一方で貯蓄性を重視する場合は、保障内容だけでなく解約返戻率についても比較する必要がある。資産運用の手段として保険を利用する場合には、外貨建ての生命保険も視野に入ってくるだろう。

保険の比較・見直しは慎重に

生命保険は、医療事情や社会保障制度の変化、子どもの成長や家族構成の変化などに合わせて、定期的に見直しをする必要がある。

ただし、新しい商品がよい保険なのかというと、必ずしもそうとは言い切れない。若いころに加入した生命保険の中には、今では考えられないような高い解約返戻率が設定されている「お宝保険」が眠っている可能性もある。

生命保険は重視するポイントによって、過去に加入した商品の方がニーズに合ったものであるケースもある。そのため保険の見直しをする際は自分のニーズをしっかり整理し、比較ポイントを絞った上で慎重に検討することが大切である。

文・曽我部三代(保険業界に強いファイナンシャルプランナー)/MONEY TIMES

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