いろんなリスクに備えて加入する保険ですが、それだけでなくお金が増える保険もあります。貯蓄型保険と呼ばれるもので、掛け捨てとならないので人気の高い保険です。
この記事では、貯蓄型保険についてご紹介します。メリット・デメリットもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
貯蓄型の保険とは?
まず貯蓄型保険がどういうものか、概要をお伝えします。
貯蓄型保険の種類
貯蓄性がある保険には「終身保険」、「養老保険」、「個人年金保険」などがあります。
終身保険:契約期間の終了がない、一生涯保障の生命保険。解約時に一定額の返戻金が受け取れる。
養老保険:保障期間が定められている生命保険。満期になると、死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れる。
個人年金保険:契約で定めた期間になると、年金がもらえる私的年金保険。
同じ終身保険でも、最近は「低返戻型」「無返戻型」など、返戻金を設けていない保険もありますので注意してください。
満期時や解約時にお金が戻ってくる
貯蓄型保険の最大の特徴は、満期時や解約時にお金が一定額返ってくる点です。いわゆる「掛け捨て」ではないため、保障を受けながら同時に貯蓄もできるというわけです。
貯蓄機能は返戻率を確認
満期時や解約時に返ってくるお金のことを「返戻金」といい、支払保険料に対し、返戻金がいくらあるかを示す数値を「返戻率」といいます。
例えば、支払保険料が100万円で返戻金が50万円であれば、返戻率は50%となります。返戻率が100%であれば、支払った保険料の全額が返ってくることを表します。
貯蓄型保険のメリット
保障と同時に貯蓄ができるという点が、貯蓄型保険の主なメリットです。他にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
利率は普通預金より高い傾向
貯蓄型保険は、銀行の普通預金よりは高い利率で貯蓄できる傾向にあります。
お金に付く利息は、一般的に預け入れが長期になればなるほど大きくなります。貯蓄型保険の場合、すぐに出金される可能性の高い普通預金と比べて、長期間預けるお金ですから、その分利率に上乗せがあります。
そのため、保険期間が長期になればなるほど、返戻率が高くなる傾向があります。貯蓄型保険を契約する場合、事前に返戻率をチェックし、貯蓄計画を立てましょう。
節税効果がある
貯蓄型保険に限りませんが、保険に加入し、保険料を支払うと一定の節税効果があります。秋から年末にかけて保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」を年末調整の際に勤め先に提出すれば、「生命保険料控除」が受けられ、税金の還付が受けられる可能性があります。
この控除には上限がありますので、無限に受けられるわけではないという点には注意しましょう。
貯蓄型保険の注意点
これまで貯蓄型保険のメリットをお伝えしてきましたが、デメリットはないのでしょうか。貯蓄型保険のデメリットをいくつか挙げてみます。
解約時期に制限がある場合がある
貯蓄型保険の場合、保険会社は長期間の預け入れを想定し、その分上乗せの利率を設定しています。そのため、想定より短期で解約すると、返戻金が目減りする傾向にあります。つまり、生活資金のように、すぐに使うお金の運用には向きません。
貯蓄型保険を契約する前に、いつの時点で返戻率が最も高くなるかを確認しておきましょう。
返戻率はそんなに高くない傾向
貯蓄型保険特有のデメリットというわけではありませんが、現在日本はほとんどゼロ金利という状況のため、貯蓄型保険の返戻率も低下傾向にあります。
返戻率ばかり意識していると、保険料が非常に高く、また保険の保障内容が薄くなってしまう可能性があります。貯蓄機能だけでなく、保障内容や保険料のバランスが取れた保険を選ぶようにしましょう。
外貨建て保険に要注意
先述しましたが、現在日本は低金利の影響があり、貯蓄型保険と言えど貯蓄機能はそう高くありません。
そこで、現在では多くの保険会社が外貨を利用した「外貨建て保険」を提供しています。日本より金利の高い諸外国の通貨を利用することで、より高い利率で貯蓄ができるという保険です。
しかし、一時払い外貨建て保険に関しては、2016年9月15日に金融庁が、顧客のニーズよりも保険会社の手数料稼ぎではないかという旨の懸念を公表しています。
外貨建て保険は、外貨運用と通常の生命保険を1つにした保険です。金融庁は外貨建て保険として契約するより、外貨運用と生命保険、それぞれ個別に行ったほうが低コストであると指摘したのです。
外貨建て保険に加入する際は、外貨建て保険の「積立利率」と「為替コスト」をチェックしましょう。これらをネット銀行の外貨預金と比較し、どちらを行ったほうが良いか判断しましょう。ただし、双方とも為替リスクがあることにはご留意ください。
貯蓄型保険は事前のチェックが大事!
貯蓄型保険は保障を受けながら貯蓄ができる便利な商品ですが、低金利の影響を受け、現在では貯蓄効果が低くなってきました。さらに、積立率を補う外貨保険も万全とは言えない状況のようです。
貯蓄型保険契約の前には、返戻率などを事前に納得がいくまでチェックすることをおすすめします。
文・若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)/fuelle
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