街を歩くと、「ジュエリー高価買取」といった看板をよく見かけます。ただし、値決めのプロセスは不透明で、売主は買い取り店舗の提示に従わざるを得ません。
一方、カルティエ、ブルガリなどの老舗ジュエラーのアイテムなら、買値より高く売れる傾向があり、特に人気が高いヴィンテージ物なら驚くほどのプレミア価格が付くことも珍しくないと言われます。こうした噂は本当なのでしょうか。
この記事では、ジュエリーについて価格形成プロセスや市場動向を検証し、価値が落ちない材質・形・ブランドなどを紹介します。
ジュエリーの価格はどのように決まるのか
ジュエリー価格は、ルース(裸石)や地金の価値、そしてデザイン料や加工賃を加味したブランド価値で形成されます。
・高くてもハイブランドジュエリーを選ぼう
一般的に、ノーブランドよりブランドジュエリーの方が価格面で圧倒的に有利です。例えば0.5カラットダイヤモンドリングの場合、「キングオブダイヤモンド」とも称されるハリーウィンストンなら定価の4~5割で取り引きされることも珍しくありません。
一方でノーブランドだと、商品によってばらつきはあるものの定価の1~2割が相場です。ハイブランドジュエリーの場合、優れたデザインやブランドストーリーに皆が憧れを抱いています。さらに、品質面で再上質のルースを使用している(と誰もが思っている)ので、その分価格が上乗せされるのです。
・ルースの品質は鑑定書で見極めよ!
ダイヤモンドの場合ルースの品質を左右するのが、カラット(carat)・クラリティ(clarity)・カラー(color)・カット(cut)の4つで、頭文字をとって4Cとも呼ばれます。
とはいうものの、宝石の素人がプロの鑑定士のように真贋を見極めるのは不可能です。
そこで頼りになるのが、鑑定書です。まがい物が多いのも実情ですが、カリフォルニア州カールスバッドに本拠地を置く鑑定機関GIA(米国宝石学会)の他、AGTジェムラボラトリーやCGLダイヤモンドグレーディングレポートサービス(中央宝石研究所)なら信頼がおけます。
その他、鑑別書も目を通しましょう。処理石・模造石・合成石でないことが確認できます。
・希少価値のある裸石に的を絞れ
ブランドジュエリーと高品質に注意を払えば高くは売れそうですが、それだけでは儲けることはできません。最後のポイントは裸石の希少性、しかも大きければ大きいほど価値が出ます。残念ながら一般的なダイヤは流通量も多く、5年前に比べて価格は+4%、ほぼ横ばいのレベルです。
10年前になりますが、クリスティーズ・オークションで約36カラットのブルーダイヤが22億円で落札されました。1カラットあたりでも約6,000万円です。バイヤー宝石商のローレンス・グラフ、彼は将来それ以上の価値が出ると見越したのでしょう。
この他に、アーガイル鉱山産ファンシーピンクダイヤも、希少性の高さから人気を集めています。
ダイヤ以外でも、オイルの含浸処理を施していないエメラルド、幻とも呼ばれるカシミール産ブルーサファイアなどは希少性が高いと言われています。
鑑定力の高い買い取り業者を選ぼう
上場株式や投資信託といった金融商品は、証券取引所という流通市場で取り引きされ、大勢の市場参加者の需給関係によって価格が形成されます。つまり、ある銘柄の株価はどこの証券会社で売買しても価格は同一です。
ところがジュエリーの場合は、流通市場の整備が不充分です。買取業者によって買値は大きく異なり、「都内の買い取り業者を回ったら同じジュエリーで買取価格に20倍以上の開きが出た」という日本経済新聞社のレポートも出ています。
ここ数年で貴金属・宝石業者は急増しており、中にはいい加減な鑑定をする者も多いのです。高値で売るには、最初はまず足で稼ぎ、信頼のおける買取事業業者を探さなければなりません。
奥が深いジュエリーの世界。「面白そうだな」と思われる方、趣味と実益を兼ねてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
文・J PRIME編集部 (提供:JPRIME)
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