最近の就職活動では、英語力の目安としてTOEICで足切りする大手も増えてきました。そうでなくとも、入社してから幹部候補生・課長昇格・社内留学等の選抜条件として使われるケースも多いようです。日本語オンリー、日本人としかコミュニケーションが取れなければ出世の道は閉ざされ、一生地方をドサ周り、そんな未来がそこまで来ています。

みなさん自身は滑り込みセーフでも、お子さんたちは厳しいグローバルビジネスを生き抜かなければなりません。

どうすればよいのか?何も留学だけが選択肢ではありません。今回注目したいのは「インターナショナルスクール」(以下インター)です。

グローバル人材=英語ができる人?

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(写真=Phonix_a Pk.sarote/Shutterstock.com)

「グローバル人材=英語ペラペラの人」との先入観は、まだ根強く残っています。もちろん語学力は大切な要素ですが、むしろ大切なのは異質な文化や価値観を受け入れ、多様な人々とコミュニケーションできる能力です。

インターでは、人種・国籍・宗教・文化などバックグラウンドが異なる生徒が交わり、時には摩擦を起こしながら多様性を身に着けていきます。

そして多くのインターが、「英語圏の大学入学や国際人として活動するための準備サポート」を教育方針として掲げています。

学費は私立小学校より高く、一例としてコロンビア・インターナショナルスクールの場合、学費だけで165万円、給食費やメンテナンス費を加えると200万円を超えます。

日本人にも門戸を拡げつつある

現在、各種学校に登録されているインター34校には、12,000名の生徒が通っています。

在校生は在留外国人が中心で、駐日大使エドウィン・O・ライシャワー氏、タレントのジョン・カビラ、オスカー女優のジョーン・フォンテインは、100年以上の歴史を誇るアメリカンスクール・イン・ジャパン出身です。

日本人としては、ソニー会長の平井一夫氏や歌手の宇多田ヒカルさんも同スクール出身。ただし、平井さんはご両親の転勤でNY滞在が長く、宇多田さんもNY生まれです。少し前まで、一般的な日本人にインターはハードルの高い存在だったようです。

最近は、国際的な環境で学ばせたい日本人家庭の入学希望も増えています。インター側も日本人に門戸を広げており、アメリカンスクール・イン・ジャパンでも幼稚園クラスに日本語を母国語とする子供を対象としたイマージョンプログラム(小学校入学までに英語に慣れるカリキュラム)を設けています。

サマースクールという選択肢も

例えばお子さんが2人としたら、年収1,000万円としてもインターに通わせるのは経済的にきついでしょう。

インターに対して受験資格を認めていない大学も多いなど、ハードルが高いのも事実。インターに通うには海外大学への進学などしっかりした将来設計と相応の覚悟が求められるのです。

そこまで思いは強くないけど諦めきれない、そんな方にお勧めなのがインター各校が主催するサマースクールです。

かつてはインターの生徒や帰国子女が多かったサマースクール参加者も、最近は4人に3人が普通の日本人で占められるようになりました。普段は英語でコミュニケーションをとるインターですが、最近はESL(英語を母国語としない人の英語教育)の枠を設け、英語が苦手な子供でも参加しやすくなっています。

カリキュラムは趣向を凝らした内容です。例えば葉山インターナショナルスクールでは、「葉山の大自然で過ごす1週間」と銘打ち、サバンナ・バグ(昆虫)・オーシャン・ジャングルをテーマとした各7日間のセッションを開催しています。

1セッションの料金は約4万円、決して安くはありませんが、サマースクールは、楽しみながら国際的な感覚に触れる絶好のチャンスです。

1週間で語学が身につくわけではないにせよ、日常は普通の学校に通う子供にとって、良い意味での刺激、成長の機会となるはずです。

文・J PRIME編集部 (提供:JPRIME


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