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東京電力が関西と中部地方に進出

8月27日、東京電力が家電量販店大手であるヤマダ電機の関西並びに中部地方の店舗と、ケーズホールディングスの関西の店舗に電力を供給することが分かりました。供給を受ける店舗数はヤマダ電機が62店舗でケーズホールディングスは20店舗です。ヤマダ電機はこれまで主に関西電力か中部電力から電気を購入していましたが、東京電力がさらに安い料金を提示したことにより、契約切り替えを決定しました。

今回の契約で、東京電力が初めて首都圏を越えて電力を販売することになります。そしてこの動きは、電力小売り自由化において、地域を越えた価格競争が行われることを示すと見られています。

実際にヤマダ電機の店舗に電力を供給するのは、東京電力の完全子会社であるテプコカスタマーサービスです。10月1日より、民間企業の工場に有る自家発電設備で発電された余剰電力を調達して、ヤマダ電機に供給することになります。電力の供給を受けるのは、関西の24店舗と中部の38店舗で、合わせて1万9000キロワットが供給される予定です。この動きは、中部電力や関西電力が首都圏に営業攻勢をかけていることへの対抗措置であるとも見られています。


ヤマダ電機のメリット

今回テプコカスタマーサービスから電力の供給を受けるのは、ヤマダ電機の関西・中部の店舗の内、約4割が対象となっています。このことでヤマダ電機側は、年間数千万円レベルのコスト削減を実現できる見込みです。

また、これまで中部電力と関西電力から購入していた電気料金より数%安いだけでなく、契約先を東京電力にまとめることで、料金支払いに伴う事務作業も減らせることがメリットになっているとのことです。

このところ相次いだ電力各社の値上げにより、2010~13年度の民間企業が払う電気料金は、28%上昇しています。特に2011年の東日本大震災以降は大幅に値上げしています。これに対応するためにヤマダ電機が電力会社の契約切り替えを行ったことは、家電量販店業界だけでなく、他業種の契約切り替えを促進する可能性があります。