近年日本国内でも広く利用されるようになったデビットカード。クレジットカードのようにひと月まとめての支払いではなく、利用に応じてその都度口座から引き落とされ、利用金額も通帳に記帳される便利なカードです。VisaやJCB等クレジットカード大手と銀行が提携した「ブランドデビット」と新生銀行などが発行している「J-Debit」の違いを挙げながら、特にJ-Debitの特徴についてやさしく解説します。

デビットカードとは

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(画像=PIXTA)

支払いのたびに口座から引き落とされる

デビットカードは、決済と同時に利用額が口座から引き落とされるカードです。クレジットカードはひと月まとめての後払いが基本ですが、デビットカードは利用の都度、支払金額が引き落とされるので使い過ぎの心配がありません。

例えば外食先やスーパーのレジでキャッシュカードを提示し、端末に暗証番号を入力すると、即座にその代金が金融機関の口座から引き落とされ、後日加盟店口座へ入金される仕組みです。

現金を出し入れする手間が不要になる

デビットカードで支払いを済ませば、ATMで現金を出し入れする必要がないので手数料の節約になります。利用可能額は金融機関に預けている口座残高の範囲内ですが、別途利用限度額を設定することが可能な金融機関もあります。

またVisaなどのブランドデビットなら、海外旅行の際に現地通貨がなくなってしまっても対応ATMですぐに現地通貨を引き出すことができ、両替をする必要がありません。

一方、J-Debitは海外利用ができないので注意しましょう。

新生銀行で発行できるJ-Debitって何ができるの?

デビットカードには、大きく分けて2つのタイプがあります。一つはVisaやJCBなどと提携したブランドデビット。もう一つは国内専用のJ-Debitです。

新生銀行のJ-Debitは後者にあたり、ブランドデビットとJ-Debitは似ているようで大きく異なります。

「Visaデビット」と「J-Debit」の主な3つの違い

その1:そもそもカードの仕組みが異なる

ブランドデビットの一つであるVisaデビットとJ- Debitを比較してみましょう。Visaデビットのカードは、カードに必ずVisaのロゴが記載されており、Visa仕様の磁気ストライプやICチップが搭載されていますが、J-Debitの場合は金融機関が発行したキャッシュカードをそのまま使うのでJ-Debitのロゴや特別な磁気は組み込まれていません。

また、Visaデビットを利用するには別途申込が必要であり、キャッシュカードと一体型のカードの場合も1枚のカードにVisaデビットおよびキャッシュカードの情報が搭載されています。

一方、J-Debitは基本的に特別な申込が不要ですので、手持ちのキャッシュカードを使ってデビット機能を利用することができます。

その2:決済対応時間が異なる

基本的にVisaデビットカードはVisaクレジットカードと同じように24時間・365日利用することができます。しかしJ-Debitの場合は発行金融機関によって利用可能時間が異なります。

その3:J-Debitは「J-Debit」マークのある国内加盟店でしか使えない

Visaデビットカードは、世界200以上の国と地域にあるVisa加盟店で利用でき、海外のATMで現地通貨を引き出すことも可能です。またネットでの支払いにも利用できるため汎用性が高いのが特徴です。

一方のJ-Debitの場合、利用可能な店舗は国内のJ-Debit加盟店に限られます。さらにJ-Debitは店頭での支払いに限られており、ネットショッピングには利用できません。

また、J-Debitでの決済が可能なコンビニは今のところローソンなど一部に限られています。これからの拡大を期待したいところです。

あえてJ-Debitを持つことのメリットは?

わざわざ申込む必要がない

世界中で使えるブランドデビットがあるのに、あえてJ-Debitを持つことに疑問を持つ方もいるかもしれません。

しかし日本独自のシステムであるJ-Debitなら、ブランドデビットのようにわざわざ申込む必要がなく、金融機関のキャッシュカードを使い、今すぐデビット機能が利用できるというメリットがあります。

意外と多くの金融機関が対応している

日本国内では多くのキャッシュカードがJ-Debitに対応しています。都市銀行や地方銀行をはじめ、信用金庫、労働金庫、JAバンクのすべて、さらに信託銀行のキャッシュカードもJ-Debitの機能を有しています。

新しくカードを発行する必要もなく、新生銀行のようにVisaやJCBのブランドデビットカードを利用できない金融機関であってもJ-Debitならすぐにデビット機能を利用することができます。

海外で利用する予定が無く、普段よく利用する店舗がJ-Debitに対応しているのであれば不自由なく決済することができるでしょう。

年会費や事前申込みがいらない

一部のブランドデビットカードには、年会費がある場合や、年会費を無料にするために一定の条件をクリアしなければならない場合があります。

一方、J-Debitならキャッシュカードでそのままデビット機能を利用できるので、特別な準備やコストが不要です。

今ある口座やカードをそのまま使えるのがJ-Debitの魅力

J-Debitならメインバンクのキャッシュカードをそのままデビットカードとして利用することができます。公金・税金の納付にも使えるため、国内での決済には大変便利です。

さらに2018年4月より開始された「キャッシュアウトサービス」も魅力です。このサービスを利用すれば、買い物をしてデビットカードで支払いをする際に、同時に口座から現金を引き出しその場で受け取ることができます。

今後もJ-Debitの利便性拡大が期待されています。

文・木村茉衣(ファイナンシャルプランナー)/fuelle

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