「離れて暮らす両親でも、仕送りをしていれば扶養家族にできる?」こんな疑問を感じたことはありませんか?実は、「扶養家族」は制度によって定義が異なります。可処分所得が大きく変わる可能性がある「扶養家族の定義」について、しっかり把握しておきましょう!

扶養家族という言葉の意味とは?

扶養家族,意味
(画像=PIXTA)

扶養(ふよう)の意味を辞書で確認すると、以下のように記載してあります。 助け養うこと。生活できるように世話すること。「両親を扶養する」(出典:「デジタル大辞泉」小学館)

国の制度には、「自分の収入で助け、養っている人」がいる場合にさまざまな面で優遇する仕組みがあります。その対象となる人を、「扶養家族・扶養親族」と呼びます。この扶養家族の難しいところは、制度によって対象の定義が異なることです。

今回は、税金(所得税)、社会保険での扶養家族の定義について解説していきます。

税金面での扶養とは

税金面での扶養は、扶養している相手との関係性や年齢によって異なります。そうすることで税負担を公平にし、支出がかさむ世代の税負担のバランスをとっているのです。例えば、同じ会社に務めていても、「独身1人暮らし」の社員と「専業主婦の配偶者と子ども」を持つ社員の手取り額は異なります。その理由の一つが扶養控除です。

所得税の場合を具体的にお話ししますね。195万円の課税所得がある人の所得税率は5%。何も控除がない場合、195万円×5%=9万7,500円が1年間の所得税額です。しかし、扶養控除がある場合は、元の「195万円」から扶養控除額を引いた額に所得税が課税されるため所得税額は何も控除がない場合よりも低くなります。これは、約10%の税率がかかる住民税も同じです。

税金面での扶養控除対象について

税の扶養に関する控除の対象範囲を確認しましょう。(2019年1月現在)

扶養控除の対象になるのは、税金を算定する年の12月31日(納税者が年の途中で死亡、または海外へ出国する場合は、その時点)の現況で、次の4つの要件のすべてに当てはまる人です。

・配偶者以外の親族または都道府県知事から養育を委託された児童や、市町村長から養護を委託された老人であること。
・納税者と生計を一にしていること。
・年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)。
・青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。

配偶者控除・配偶者特別控除とは別なので注意

注意しておきたいのは、専業主婦(主夫)、扶養内の所得で働く兼業主婦(主夫)などが受けるのは、配偶者控除・配偶者特別控除であって、扶養控除ではないことです。

配偶者控除・配偶者特別控除は、扶養控除よりも年間の合計所得金額の制限が広く、給与収入のみの場合、150万円以下まで扶養控除と同額の控除があります。この配偶者控除も併せて「扶養控除」といわれることがありますが、厳密には別のものです。

社会保険上の扶養とは

各種保険組合や、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の被保険者は、被扶養者が増えた場合に手続きをすることで、新たな費用負担なく、増えた被扶養者にも保険証を作ることができます。

被扶養者が増えるタイミングは、結婚・出産・親の退職などがあるでしょう。そのような場合に、会社を通して「被扶養者(異動)届」を加入している保険組合に提出すると手続きが完了します。

ただし、被扶養者は誰でもなれるわけではありません。健康保険法では、「被扶養者の範囲」を以下のように定義しています。

健康保険法の扶養家族とは?

所得制限は、被扶養者との関係性に関わらず給与年収で年間130万円未満(60歳以上または59歳以下の障害年金受給者は年間180万円未満)です。さらに、被保険者の収入の2分の1以下である必要があります。

また、同居の有無によっては被扶養者になれない場合があります。

【同居していなくても、被扶養者になれる関係】
・配偶者
・子、孫および兄弟姉妹
・父母、祖父母などの直系尊属

【同居していなければ被扶養者になれない関係】
・配偶者、子、孫、兄弟姉妹、直系尊属以外の3親等内の親族(伯叔父母、甥姪とその配偶者など)
・内縁関係の配偶者の父母および子

年収の制限は社会保険のほうが広いのですが、対象となる扶養家族の範囲は税制での扶養よりも狭いことに注意が必要です。

厚生年金の扶養家族とは?

厚生年金の場合、扶養の対象とできるのは「20才から60才までの配偶者」に限られます。配偶者は国民年金「第三号被保険者」となり、保険料を負担せずとも国民年金納付済として扱われます。

国保と国民年金には扶養という概念がない

会社にお勤めではない個人事業主や無職、年金受給者の方が加入するのは国民健康保険と国民年金です。この2つには、基本的に扶養という概念がありません。個人事業主の配偶者は、国民健康保険に世帯加入することになります。

年末調整での申告や、保険の申請を忘れずに!

社会保険での扶養家族になれたとしても、所得税などの税金面でも扶養対象になるとは限りません。また、家族の扶養は、自動的に処理されるわけではなく、年末調整時などでの「申告」が必要です。漏れがないようにしっかりと手続きを進めましょう。

文・沼田絵美/fuelle

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