2019年2月8日10時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日7日(木)の米国株は続落。米中貿易協議が、3月1日の関税引上げ期限までに合意に至らないとの懸念が広がったためだ。10年物の米国債利回りは2.65%に低下。ただ米国債利回りの低下はドルの下落に結びつかず、豪ドルやユーロ単体での悪材料のほうが目立ち、ユーロや、豪ドルが下落した。結果、米国株が軟調でリスクオフの動きもあり、豪ドル/円、ユーロ/円などのクロス円の下落となった。既報のようにディマークの日足で買われすぎを示唆しているNYダウは軟調となっている。ただ昨日7日(木)の動きは調整に過ぎず、反転して続落するかどうかは、本日8日(金)の相場次第だ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

すごい値動きだったのがポンド。英中銀政策決定会合では、2019年の成長見通しを従来の1.7%から1.2%へ、2020年を1.7%から1.5%へと引き下げた。呼応して、英ポンド/米ドルは1.28ドル台半ばまで急落。英ポンド/円も下落しており、ここまでは、他の豪ドル/円、ユーロ/円といったクロス円と同じ動きだった。ただ、その後、これといったニュースもなく、1.3000ドルレベルまで急反発した。これがポンドの怖いところ。トレンドが明確な場合のポンドは、ボラティティの高さもあって、利益を上げやすい通貨だが、いったん調整局面に入ると、特別なニュースもなく乱高下するため、一転して、殺人通貨と化す。こうなるとヘッドラインでこういうニュースが出ていたから、などの理由は完璧に後付となり、市況を後から読んでも意味がないので、当面ポンドの取扱には要注意。戦略としては株の動向をみながら豪ドル/円の戻り売りで臨みたい。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。