ある程度貯金ができている方の中には、株式や投資信託などの資産運用に興味が出てくる方もいるのではないでしょうか。ある程度まとまった金額を元手に投資を行うと、成功すると大きく資産を増やせる可能性があります。

しかし闇雲に投資を行うと、多くの損失を出すリスクも高まります。今回は、資産運用初心者が知るべき考え方や注意点についてご説明します。

貯金も資産運用!運用方法は2タイプに分かれる

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(画像=ShutterOK/Shutterstock.com)

そもそも「運用」とは、ものをうまく活用することです。そのため資産運用とは、手持ちの資産をうまく活用して増やすことを指しています。具体的な運用対象としては、株式や債券、投資信託、FX、不動産、金・銀などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。2017年頃からバブルに近い盛り上がりを見せたこともあり、最近では仮想通貨の知名度も高くなりました。

こうしたさまざまな運用方法は、大きく「貯蓄」と「投資」に分けられます。全証券会社と登録金融機関の所属する日本証券業協会が、初心者向けに作成したワークブックの中でこの分類を記載しています。

貯蓄とは、普通預金や定期預金などを指します。ふやすことより貯めることを重視した運用方法であり、元本保証のような確実性を持つのがメリットです。その一方で、金利がきわめて低いため資産が大きくなりません。メガバンクのデータを見ると、2019年現在で定期預金金利が0.010%、普通預金金利が0.001%しかつきません。100万円を定期預金として預けても、1年間で100円しか増えない計算になります。さらにここから約20%の税金が引かれ、ほとんど利益にはならないのです。

これに対して投資とは、貯めることよりふやすことを重視した運用方法です。先にも挙げた株式や債券、投資信託、FX、不動産、金・銀などは全て投資に当たります。1年後の利子額を予測できる銀行預金に対し、投資による運用成果は予測できません。貯蓄では考えられないほどの利益になる可能性もありますが、貯蓄では考えられないほど損失を出す可能性もあります。

以上を踏まえて、貯金を運用するなら確実性とリターンの大きさをてんびんにかけて運用対象を選択することになります。

運用方法は複数に分けよう!初心者が知るべき分散投資

資産運用を考える際、リスクのある投資にお金を投じすぎないようにすることがポイントです。生活費に充てる分や近い将来に使うお金(教育費や医療費、住宅購入用資金など)は別に確保しておき、それでもなお残ったお金を投資資金とするのが良いでしょう。

その意味でも、資産運用の方法は複数に分けるべきです。生活費や将来使うお金は元本保証のある預貯金や個人向け国債などを中心に運用し、残りを複数の方法の投資に充てることにします。これなら投資で少し損失を出したとしても影響は限定的となり、安心して投資を続けることができます。

また、「分散投資」はリスクを踏まえた投資を考える上で重要なキーワードと言えます。株式や債券など複数の資産に投資先を分散させておけば、株価下落によるリスクを抑制できると考えられます。ところが、全資産を株式など1つの対象に投じていると、このリスクを正面から受けてしまうことになります。

分散の仕方としては、資産以外にも地域とタイミングがあります。日本や先進国、あるいは新興国など、複数の国と地域に投資先を分けることで、ある国で問題が発生しても影響を限定できます。また投資のタイミングを複数回に分けることで、一時的な株価の変動による影響を抑えられるのです。

どうしても値上がり益を期待して投資先を集中させたくなりますが、最初は運用の分散を心がけましょう。

きちんと押さえておきたいリスクとリターン

資産運用を実行するに当たって、リスクとリターンの関係を覚えておきましょう。

一般的にリスクとは「危険」という意味で用いられる言葉ですが、資産運用の世界では「リターンの振れ幅の大きさ」を意味しています。たとえば、大きく利益の出る可能性のある商品は大きな損失を出す可能性もあることから、リスクが大きいと言えます。逆に、普通預金のように金利はほとんどつかないけれど元本が保証されるという性質の商品には、リスクが小さいということになるのです。

一般的に、リスクとリターンはある程度相関します。つまりリスクが高ければ狙えるリターンも大きくなり、リスクが低ければリターンは小さくなります。「リスクは低いけれど狙えるリターンは大きい」という商品があれば理想的ですが、実際にはそうした商品は存在しません。ローリスク・ハイリターンを謳うような金融商品には、近づかないようにしましょう。

冷静かつ長期的な方法で貯金を運用しよう

預貯金は、立派な資産運用方法です。しかし預貯金だけだと、資産を大きく増やすことはできません。預貯金以外の運用方法を試したい、資産を増やしたいと考えるのであれば、株式や不動産など他の方法を検討しましょう。

短期的な価格の変動に動揺せず、長期的なスパンで考える必要があります。そのためにも、特定の資産や国にお金を集中させず、適度な分散投資を心がけましょう。(提供:Incomepress


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