相続、遺贈、贈与により財産を取得した場合、その取得にあたり日本において相続税又は贈与税が課税されるか否かは、その財産を取得した人がどのような人であるかにより判定されます。

国外財産調書制度
(画像=PIXTA)

被相続人等 → (相続・遺贈)(贈与) → 個人

上記の個人(財産を取得した人)が次のどれに該当するかで、判定します。

①居住無制限納税義務者
取得時に国内に住所等を有する者
【結論】国内、国外財産とも、全て相続税・贈与税が課税される

②非居住無制限納税義務者
取得時に国内に住所等を有しない者で、※1及び※2に該当する者
【結論】国内、国内財産とも、全て相続税・贈与税が課税される

③制限納税義務者
取得時に国内に住所等を有しない者で、※1又は※2に該当しない場合
【結論】国内財産のみ課税される

※1:個人に日本国籍がある
※2:被相続人等又は個人のいずれかが相続(贈与)前5年以内に国内に住所を有したことがある

経済のグローバル化や、国境のボーダーレス化に伴い、「人」や「財産」の移動が活発に行われるようになってきているため、海外に「人」と「財産」を移す租税回避行為が頻繁に行われています。

このため、日本の相続税法においては、国外にある財産でも、日本国籍を有する者が取得した場合には、被相続人又は贈与者と相続人又は受贈者のどちらかが相続又は贈与の開始前5年を超えて国外に居住していなければ、その取得にあたり相続税又は贈与税が課税されることとなっています。

(提供:チェスターNEWS