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「富裕層にもピンとキリがあることは容易に想像できるでしょうが、下層にとどまっている人たちはそうなって当然の行動パターンを取っています。それを改めない限り、彼らは富裕層の末席に加わるのがせいぜいで、それより先のランクアップは難しいでしょうね」
こう突き放すのは、一代で財を成して富裕層におけるヒエラルキーの下から頂点まで一気に駆け上がっていった斎藤由起夫氏(仮名)だ。えてして下層に甘んじている人たちは、上を目指すことに関して非常に貪欲であるものの、裏目に出るような行動ばかりを取っているという。
その典型は、異業種交流会やパーティー、セミナーなどに片っ端から顔を出し、とにかく人脈を広げようとする行為だ。斎藤氏は次のように指摘する。
「誰でも参加できるような場には、当然ながら信用できない人物が紛れ込んでいる可能性が高いと言えます。そういった連中にとって富裕層は願ってもないターゲットで、積極的にアプローチされることは間違いありません。だから、知人がらみの企画でない限り、ハイクラスの富裕層はそういった集まりには極力顔を出さないものです」
新たな人脈を築いてビジネスチャンスが得られるどころか、むしろ逆に自分が胡散臭い連中に利用されてしまう恐れのほうが大きいということだ。したがって、ハイクラスになればなるほど、よく知らない人とはできるだけ会わないというのが富裕層の基本スタンスなのである。