「3つ」にまとめたい理由

さて、相手とやり取りしながら上記に続けるのが「2つ目は……、3つ目は」ということになるが、正直どう考えても「強み」と呼べる事実が2つしかない場合もあるだろう。

その際も「弊社サービスの強みは2つあります」より、あえて取るに足らないことでも、もうひとつ追加しておいて「弊社サービスの強みは3つあります」にすることをお薦めしたい。

プレゼンテーション,大塚寿
(画像=THE21オンライン)

もちろん、嘘や極端な誇張はご法度だが、「強みというほどでは……」的なことを追加するイメージだ。

なぜなら、あえて3つ目を加えることによって、相手には1つ目、2つ目の強みがより強調されて伝わるからだ。

これは化粧品業界でいう「捨て色」と全く同じ発想だ。

口紅などで「春の新色」を発表する際、売れ筋になるのはその中の1色だったり2色だったりするのに、6色とか11色とかのバリエーションで展開する。

経営効率を考えれば、最初から売れ筋になるであろう1~2色に絞って展開すればいいと考えがちだが、そうするとその1~2色も売れなくなることから、売れ筋をつくるために、あえて「捨て色」という戦術を採用するようになったというわけだ。

人はあれこれ試した結果1本を選びたいので、その際の比較対象が捨て色になる。

日本語や英語などすべての言語に「文法」という決まりがあるように、プレゼンにもセオリーがあるのだが、日本においてはそれらを知らない営業パーソンがあまりに多い。

かつては日本の学校の授業に「プレゼンテーション」などという科目はなかったので、それも仕方のないことかもしれない。

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出典:営業サプリ(https://www.eigyousapuri.jp/)

大塚 寿(おおつか・ひさし)エマメイコーポレーション代表取締役
1962年、群馬県生まれ。1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、『オーラの営業』(Nanaブックス)、『仕事をつくる全技術』(大和書房)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など多数。共著に『法人営業バイブル』(PHP研究所)など。(『THE21オンライン』2019年3月号より)

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