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(画像=『羊香味坊』のオーナー・梁宝璋さん)

ビジネスの経営戦略の一つに「ブルーオーシャン戦略」と言われるものがある。簡単に言えば、「ライバルがいない市場に参入し、それを独占する」こと。競合がいないので価格競争に陥ることがなく、その分野ではナンバーワンの知名度を誇ることができるというものだ。

様々なレストランがひしめき、しのぎを削り合う、食のメガロポリス・東京で「絶品羊肉×自然派ワイン」という珍しい組み合わせによって、坪月商67万円という驚異的な数字を叩き出している店舗がある。御徒町にある『羊香味坊(やんしゃんあじぼう)』だ。今回は、その経営哲学に迫ってみた。

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(画像=クミンと白ごまの香りが食欲を刺激する「ラムフレンチチョップ(1,200円)」。スパイシーな味わいで、ドリンクが進む)

時にはレアものも! 2,500円からオーダーできる自然派ワイン

御徒町駅から徒歩5分程の場所にある『羊香味坊』は、神田で人気の中国料理店『味坊』の3つ目の系列店である。絶品の羊肉と自然派ワインを味わえるこの店は、2016年にオープンするや口コミを中心に人気が広がり、今では予約が絶えない超人気店となった。

「羊肉と自然派ワインの組み合わせは、神田の『味坊』にいらっしゃったワイン会社の社長さんの発言がきっかけだったんです。で、実際に試してみたら、すごく合う。独特の香りと風味がある羊肉と自然派ワインの組み合わせは、お料理もドリンクもよく進むんです」

そう語るのはオーナーの梁宝璋(りょう・ほうしょう)さん。『羊香味坊』では、料理は1名でもオーダーしやすい小皿で提供し、ワインは2,500円、3,500円、5,000円の価格帯から選ぶことができる。

「うちのモットーは、お客様にお手頃な価格でいろいろな料理と厳選ワインを楽しんでもらうこと。ワインは、冷蔵庫の中からお客さんが自分で選べるようになっています。ラインナップも日々変わるし、お客さん自身で選べたほうが楽しいかなと思って。この前、バイヤーさんに聞いたら、時々レアなワインをこっそり忍ばせているそうです(笑)。そういうサプライズでお客さんに喜んでもらって、話題作りにもなれば嬉しいですね!」

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(画像=全部で40〜50種類あるというワイン。レアものが激安で飲める可能性も!)

ほかでは味わえない、垂涎の羊料理

『羊香味坊』人気の秘訣は、なんと言っても美味しい料理だ。料理に対する考え方は、シンプルで「ほかでは食べられないものを出す」こと。そのために様々な工夫をしていると梁さんは語る。

「ほかのレストランでは、従業員の手間を省くため一次加工の施された食材を使っているところも多いですが、そもそも料理というのは手間を掛けるべきものなんです。面倒でも丁寧に下ごしらえするから、美味しい一皿になる。うちでは、春雨も餃子の皮もすべて手作りにこだわっています」