アップル(NASDAQ:AAPL)は今週、強力な好材料を提供した。フラッグシップ製品への需要が弱い中で、同社は大規模な顧客基盤を利用して成長を加速させていく戦略を示した。
成長戦略の一環として、アップルは25日に様々な新サービスを発表した。動画配信サービスやゴールドマン・サックス(NYSE:GS)とのパートナーを結んだクレジットカード、300以上の雑誌や新聞が読み放題のApple News+、定額制ゲームサービスなどである。様々な産業の構造を変えてきた同社は、依然として成長期であることを示している。
戦略転換の中で最も注目すべきは、ネットフリックス(NASDAQ:NFLX)やディズニー(NYSE:DIS)などとの競争が予想される映像配信サービスへの参入である。アップルの映像配信サービスである「Apple TV +」は広告がなく、オンデマンドで利用でき、オフラインの状態でも視聴可能である点が特徴だ。
アップルは今年の秋に100以上の国で同サービスを展開する計画である。今のところ、サービス料金は公開されていない。
一方、アップルカードは年会費、延滞料、外貨手数料が掛からない点が魅力的である。
もはやiPhoneだけではない
アップルのサービス事業の強化は、同社がiPhoneに依存せず、ハードウェア事業の減速を阻止するためのさまざまな選択肢があることを示している。しかし、投資家は同社株を保有すべきか否かについて疑問に思っている。
10月に同社株は233.47ドルという最高値を記録した後、約18%安となっており、S&P 500の中でアンダーパフォームしている。しかし、過去1年間では約8%高となっており、昨日の終値は186.7ドルである。
TradingView : アップル
過去5年間におけるアップルのサービス事業の勢いを考えると、アップルは成長基調に乗っており、長期投資に適していると考えられる。アップルミュージックなどの同社サービスは昨年33%増の成長を見せ400億ドルの売上高となった。これは同社の総売上高である2656億ドルの内、約15%を占めている。
モルガンスタンレーの試算によると、アップルの売上高におけるサービス事業の比重は増加し続け、今後5年間で60%を占めることが予想される。
もちろん、サービス事業をアップルの主力事業とすることは簡単ではない。ネットフリックスは1億3900万人の加入者を獲得した時点で、メディアとゲームの融合に取り組んでいる。一方、ディズニーは21世紀フォックスの買収を通じて、動画ストリーミングサービスへの参入を今年末に計画している。
しかし、アップルが特徴的な点は、ロイヤルカスタマーの存在である。iPhone売上の減退は、スマートフォン産業の崩壊を意味していない。同社のiPhone売上高が最高潮に達していたとしても、それはただ単に稼ぎ頭の事業であり、様々な分野へ進出するための足掛かりとなっていただろう。
要点
配当や評価益を通して安定した収益を望む長期投資家にとって、アップルは最適な銘柄である。同社は配当や自社株買いを通して、多くのキャッシュを投資家へ還元している。
iPhoneへの需要減退やサービス事業への投資によって、短期的には株価は低迷しているかもしれないが、辛抱強く待つべきである。(提供:Investing.comより)
著者:ハリス アンワル