48時間以内で主要な経済指標はないが、外国為替市場はリスクオンとリスクオフで揺れ動いている。投資家は利回りの下落が株式市場にとってネガティブなのかポジティブなのかを判断するのに苦労している。金利の低下は借入にとってポジティブであるが、利回りの低下によって逆イールドが発生している。過去50年間で逆イールドの発生の後、高い確率で不況が起きていた。短期金利が長期金利を上回るということは、投資家は短期的な経済の先行きを懸念していることを示す。

しかし、来月にも不況に転じるとは考えていない。平均して、逆イールドの発生から景気後退まで18ヶ月かかっているので、今回も景気後退までに1年以上の猶予があるかもしれない。各国の中央銀行は世界の景気減退がもたらす影響について警告しており、世界経済が後退していることは間違いないだろう。一度、株価の下落が始まると、深刻なレベルまで下落する可能性があるので、金利は経済を支えるのに十分な水準で維持することが必要であるとFRBは考えている。このことは、未だドル円が110を上回っているドルの下降トレンドは顕在

米ドル/日本円や豪ドル/米ドル、NZドル/米ドルに大きな値動きがない一方で、トレーダーは米国や世界の景気後退についてますます過小評価している。27日のNZドルは7週間ぶりの大幅な下落となった。前回大幅に下落した時は、失業率が4.1%増と予想される中で4.3%増となった時である。27日の下落はニュージーランド準備銀行(RBNZ)からのハト派的な発言に端を発した。RBNZは26日、企業景況感の悪化や世界的な景気悪化によって下方リスクが高まっており、利下げの可能性のほうが利上げよりも高いと述べた。

RBNZのオア総裁は先月、景気後退にも関わらず、金融緩和の可能性は増加していないと述べた。NZドル/米ドルはテクニカル分析の観点から重要な水準をいくつか下回り、3月の安値である0.6750の水準が次に注目されている。NZドルの下落は豪ドルにも影響を与えるが、重要なのは中国工業利益である。1月2月の同指数は前年比14%減となり、中国人民銀行(中央銀行)は景気対策を打ち出さなくてはならない。予想以上の改善を見せなかったカナダ貿易収支に続いて、カナダドルは値を下げて取引を終えた。

議会で離脱案が承認された場合、メイ首相が辞任する意向を示した。このことを受け、27日に最もパフォーマンスの良かった通貨はポンドとなった。3度目となる議会投票は今週末に行われ、もし可決した場合、GBPは急騰するだろう。

ユーロ/米ドルは27日の大幅な下落の後、独10年国債は2.5年ぶりの水準まで下落によって、ユーロ/米ドルは下押し圧力を受けた。ハト派的なECB、ドイツのマイナス金利、リスクオフなどユーロを下落させる要因には事欠かなかった。しかし、28日の経済指標はユーロをむしろ下支えするだろう。本日はユーロ圏の消費者信頼感指数と独消費者物価指数の公表が控えている。製造業は悪化しているが、先月の企業信頼感指数と投資家信頼感指数は改善を見せていたので、今月も期待できるだろう。(提供:Investing.comより)

著者:キャシー リアン