芸妓(芸者)の世界を前々から体験してみたかったけど、きっかけがない……そんな方も多いでしょう。ここでは、芸妓・花街文化の基本、料亭で芸妓のもてなしを受けたときの予算、東京都内で芸妓が活躍するエリアなどを紹介します。はじめての芸妓体験のきっかけにお役立てください。
「花街(かがい)」という言葉の意味は?
「花街」という言葉はもともと、遊郭や芸者屋の多く集まる場所を示していました。太平洋戦争後、法の整備によって遊郭が廃止されたため、現在では料亭や芸者が集まるエリアを指します。
とはいうものの、全国に多数あった花街も今ではわずか。東京都内でもほとんどの区に花街があったようですが、現在では向島、新橋(銀座・築地)、神楽坂などわずかなエリアで限られた人数の芸妓が活動しているにとどまります。
料亭で芸者遊びをしたときの予算は?
格式ある料亭で芸妓の世界に触れることを「ハードルの高い行為」と感じる方も多いでしょう。かつては、贅を尽くした富豪の遊びの色合いが濃かったのも事実です。しかし最近では、日本の伝統芸能やもてなしの心を感じるための場に変化しています。
予算はまさに“ぴんきり”ですが、料亭に利用日・人数・料理などの希望を伝えるとともに、総予算や芸妓の人数なども事前に相談できます。予算例としては、向嶋花街に属する料亭「月笛」では次のように紹介しています。
・1名様2時間 38000 円(消費税込)
上記に含まれるもの…料理、飲み物、芸妓1名分
・10名様2時間 1人当たり 27000 円(消費税込)
上記に含まれるもの…料理、飲み物、芸妓5名分
※いずれもワイン・シャンパンは別料金 芸妓の踊りも別料金
一般的に、向嶋花街は手頃な料金設定と言われます。東京都内でも別エリアや、京都の料亭での芸妓がもてなす宴になると、上記よりも高くなると想定した方がよいでしょう。
どのようにして芸妓文化は生まれた?
そもそも江戸の芸妓文化はどのような背景で生まれたのでしょうか? 東京都内最大の花街を取り仕切る見番「向嶋墨堤組合」によれば、江戸中期以降に、俳諧・連歌などの会席が盛んになったことが芸妓文化のはじまりとのこと。その席に華やぎを添えるために芸妓のスタイルが確立し広まったとされます。
芸妓文化の中心となるのが三味線・鼓・笛などの器楽や浄瑠璃で、芸妓は期間をかけて、その一つひとつを磨いていかなければなりません。そこから、芸妓独自の世界観である間・情緒・粋などが生まれるのです。
東京都内で芸者遊びが体験できるスポット
・向島 一見さんでも楽しめる花街
東京都内で一番数多くの芸妓がいるエリアと言われる料亭街が墨田区向島。東京スカイツリーからほど近い向島2丁目・5丁目に、芸妓のもてなしが可能な計13 軒の料亭(2019年3月現在)が集中しています。ちなみに、現在の表記は「向島」ですが、花街では「向嶋」を用います。料亭や芸妓の豊富さからビギナーの方にも比較的利用しやすい花街と言えるでしょう。
・神楽坂 石畳の街並みに芸妓文化が溶け込む
JR飯田橋駅、東京メトロ神楽坂駅周辺に4軒の料亭が存在。メインストリートから一歩入った落ち着いた街並みに芸妓文化が自然に溶け込んでいます。パリの街並みに似ていると評されることの多い神楽坂。上質な大人の時間をたっぷりと味わうことができます。尚、組合では料亭の紹介をしていないため、問い合わせは直接料亭へ。
・新橋 「日本一の社交場」と言われた華やかな世界
新橋といっても実際には、東銀座、築地周辺の所在地に芸妓のもてなしが可能な計 8軒の料亭が存在します。江戸時代この周辺には武家の屋敷が建ち並んでいましたが、江戸末期になると芸が盛んになり、「新橋花柳界」と呼ばれる独自の世界を形成しました。明治時代には「日本一の社交場」と言われるほど料亭街は隆盛を極めました。その華やかな花街文化の一端を感じることができます。
さまざまなシーンで利用できる芸妓文化の可能性
この他、東京都内で芸妓文化に触れられるエリアとしては、赤坂・浅草・八王子などが知られます。芸妓文化は、大切なお客様のもてなしの他に、海外のお客様へのサプライズ企画などにも利用できそうです。また、日本伝統にもとづく芸妓の作法やもてなしは、社員研修などにも活用できる可能性があります。ネット中心の時代だからこそ、対面の心づかいを磨く芸妓文化から私たちが学ぶことは多そうです。
文・J PRIME編集部(提供:JPRIME)
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